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リコーCX6の液晶パネル(WhiteMagic)の性能測定

リコー製デジタルカメラ“CX6”の“液晶パネル”の性能測定です。
この液晶パネルにはWhiteMagic技術が採用されています。

はじめに

もう製造が終了していますが、リコーのCX6の液晶パネルの性能を測定しました。

CX6は製造、販売を終了していますが、搭載されている液晶パネルは他のカメラにも採用されています。例えば同じくリコーが販売している“GR”、ソニーからは“RX1R”など(今ラインアップされている“大型センサーモデル”のほとんどが同型液晶と思われます)が販売されています。

CX6の液晶パネルには、旧ソニーモバイルディスプレイ(現ジャパンディスプレイ)が製造し、WhiteMagic技術が採用されています。

液晶パネル概要

CX6の液晶パネルには、旧ソニーモバイルディスプレイ(現ジャパンディスプレイ)が製造した液晶パネルが搭載されています。
この液晶パネルには、WhiteMagic技術が採用されています。

WhiteMagicとは、RGB(赤、緑、青)の3色のドットで1画素を構成する従来の方法ではなく、RGBにW(白)を加えたRGBWで1画素にしています。これにより、消費電力を従来型に比べて約50%低減することができます。

cx-6_10.jpg
画素写真でRGBドット以外にWドットがあることがわかります。

この液晶パネルには野外モードが搭載されており、このモードとWhiteMagicにより、高い輝度(画面の明るさ)を実現することができます。

サイズは3型で、画素数は640×480、精細度は217ppiです。
リコーのHP仕様では、“3.0型 透過型液晶 約123万ドット”となっており、説明書では“3.0型 透過型液晶 約123万ドット(640×4×480=1,228,800)”となっています。

また、製品ページの特長のデザイン&ユーザビリティでは、

CX6は従来機に比べて約1.7倍明るい高輝度液晶モニターを採用。屋外でもモニターが見やすくなりました。さらに、被写体の明るさに合わせて輝度を適正化する自動輝度調整機能を新たに追加しています。

※RGBにホワイトの画素を加え約123万ドットを実現。

と記載されており、RGBW画素が採用されていることがわかります。

この仕様の液晶パネルは、現ジャパンディスプレイであり、統合前はソニーの子会社であったソニーモバイルディスプレイが製造しており、商品化時にリリース文が掲載されています。

仕様以下の通りです。

画面サイズ 3.0型
液晶モード 透過型 Vistarich
表示ドット数 123万ドット(640×RGBW×480)
色再現性 NTSC比60%
コントラスト比 1000:1
視野角 上下/左右160度

これから測定データを提示しますが、この仕様と比較しながらご覧下さい。

輝度

WhiteMagicの大きな特徴に、高輝度が容易に実現できることがあります。
そして、この液晶パネルには低消費電力モード野外モードの2種類のモードが用意されており、バックライト出力を変えています。

CX6の輝度調節は、9段階と中途半端な区切りになっています。
輝度設定を12.5%刻みで、100%、87.5%、75%、62.5%、50%、37.5%、25%、12.5%、0%で各輝度値を測定しています。

cx-6_cd.jpg

輝度設定100%では驚異的な輝度値“1282cd/m2”を計測しました。
PCモニターは250-300cd/m2程度、液晶テレビは500cd/m2程度ですから、“驚異的”であることは分かると思います。これだけ明るいと野外使用で画面が見にくいということはまずありません。

輝度値 測定値
0% 113cd/m2
12.5% 158cd/m2
25% 211cd/m2
37.5% 282cd/m2
50% 371cd/m2
62.5% 491cd/m2
75% 658cd/m2
87.5% 894cd/m2
100% 1282cd/m2

液晶パネルの仕様では、野外モードは1000cd/m2、低消費電力モードは470cd/m2となっているので、100%から75%が野外モード、輝度設定62.5%からが低消費電力モードになると思われます。

数値だけでは輝度設定50%からが低消費電力モードと推測できますが、最大輝度が1282cd/m2と200cd/m2オーバーしていますので、この辺は誤差があると思われます。また、輝度設定62.5%でバックライトの出力が変わっている痕跡があります。

色域の測定(後述)をした際に、輝度設定62.5%で色域が少し狭まります。本当にわずかですが狭くなります。青色が狭くなるため、バックライトの出力が低下したと推測できます。

バックライトには白色LEDが使用されているはずです。白色LEDは、青色LEDに黄色蛍光体を積層した“擬似白色LED”です。バックライトの出力が増加すれば青色の発色が強くなるため色域に変化が発生することになり、これが先述した色域が変わった理由になると思われます。

黒輝度

この液晶パネルで気になるのが、“光漏れ”です。
WhiteMagicが採用されているためなのか、この液晶パネルの特徴なのかは不明ですが、額縁付近での光漏れが気になります。

同じくWhiteMagicを採用した機種でも光漏れが顕著なこともあり、白ドットでの液晶の遮光の限界が出ているのだと思われます。これは致し方ない部分でもあります。

輝度値 測定値
0% 0.17cd/m2
12.5% 0.23cd/m2
25% 0.31cd/m2
37.5% 0.40cd/m2
50% 0.55cd/m2
62.5% 0.73cd/m2
75% 0.96cd/m2
87.5% 1.29cd/m2
100% 1.30cd/m2

高輝度部分ではかなりの光漏れがあることがわかります。
輝度設定100%、輝度設定87.5%では、1cd/m2の光漏れが確認できます。それ以外は“0.台”での数値に収まっています。

輝度設定25%以下では0.3cd/m2以下とFFS方式でこのサイズのパネルでは優秀な黒輝度値です。

コントラスト比

黒輝度項で光漏れが多いと書きました。当然ながら、光漏れが多いとコントラスト比は下がります。

液晶パネルの仕様では1000:1となっています。
この数値は、野外モード時なのか低消費電力モード時なのか、明記されていませんが、測定値を見れば分かります。

cx-6_cr.jpg

輝度設定100%時に“986:1”を計測しました。おおよそ1000:1です。
このモバイル向けであり、FFS方式のこの液晶パネルはこのコントラスト比はかなり高い方です。

しかし、輝度設定100%を割ると、コントラスト比は650-700程度になります。
輝度設定100%では驚異的な輝度を計測するため、1000:1を実現できるのでしょう。この液晶パネルの本来のコントラスト比は650-700程度と見たほうがよさそうです。それでも、これだけのコントラスト比があれば十分な明暗比を感じることができます。

輝度値 コントラスト比
0% 666:1
12.5% 688:1
25% 681:1
37.5% 696:1
50% 675:1
62.5% 673:1
75% 687:1
87.5% 690:1
100% 986:1

色温度

カメラ本体で表示制御が行なわれている可能性があるため、液晶パネル単体の性能と断言できませんが、参考程度に計測します。

色温度…正確には相関色温度の測定値です。色温度については当ブログ記事を参照して下さい。

cx-6_iro.jpg

全体的にsRGB規格である6500Kに近い数値です。
CX6は、sRGB規格のカメラのため、この数値であることは当たり前ですが、このように正確に6500Kに設定されていることは、撮影した画像の正確度が上がります。

輝度値 測定値
0% 6501K
12.5% 6505K
25% 6517K
37.5% 6520K
50% 6527K
62.5% 6544K
75% 6574K
87.5% 6496K
100% 6621K

輝度設定100%で6500Kから100K程度上がっていますが、これは輝度項目で述べたバックライトの影響が受けて青色が強く出たためと思われます。それでも100K程度です。

また、輝度設定87.5%でガクッと色温度が落ちていますが、グラフ上では大きく落ちているように見えるだけで、数値で見れば78K程度で、そこまで大きな数値ではありません。輝度設定0%から75%までの変動が緩やかのため、このようなグラフになっています。なぜこのように輝度設定87.5%で落ちているのかは不明です(たまたま測定しただけという可能性もあります)。

黒体軌跡からの偏差

黒体軌跡とかは、先述した当ブログ記事「色温度」を参照して下さい。

黒体軌跡とは本来の色温度であり、この黒体軌跡からの偏差が相関色温度になります。
この偏差が±0.02以内でないと相関色温度にはなりません。この偏差少ない程、本来の色温度に近いということになります。

cie1960_cx-6.jpg
CIE1960色度図の黒体軌跡とCX6の白色点。

偏差は約0.006であり、優秀です。

グレースケール

この項目も色温度と同じで、カメラ本体で表示制御が行なわれている可能性があるため、液晶パネル単体の性能と断言できませんが、参考程度に計測します。

この数値が色温度(相関色温度=白色点)に近いと中間調での表示が綺麗であることになります。どこかの数値が大きく白色点からずれると、意図しない色付きが発生したりします。

cx-6_gray.jpg

計測値は輝度値100%でのデータです。各輝度値は下記表を参照して下さい。

輝度値 10 20 30 40 50 60 70 80 90
0 6475 6183 6112 6103 6123 6154 6222 6300 6430
12.5 6485 6183 6113 6107 6126 6161 6225 6299 6431
25 6517 6196 6126 6116 6135 6173 6235 6311 6444
37.5 6522 6194 6124 6117 6136 6172 6235 6313 6446
50 6537 6208 6134 6124 6144 6179 6244 6321 6454
62.5 6555 6227 6151 6141 6160 6197 6261 6336 6470
75 6573 6240 6163 6153 6172 6217 6283 6360 6496
82.5 6984 6372 6261 6223 6221 6233 6261 6315 6367
100 6621 6278 6200 6189 6208 6243 6308 6385 6523

全体的に6500Kに近いです。優秀であるとはいえませんが、普通でもないです。中上ぐらいでしょうか。
また、輝度設定値が変わっても、測定値に大きな差はありません。これは優秀ですね。

カメラの画像を確認するための液晶パネルですが、このサイズでこの数値は優秀だと思います。
あまり大きな声では言いたくありませんが、これより何倍も価格が高く、フラッグシップであるスマートフォンの液晶パネルではこれよりひどい数値だったりします。

ガンマ値

sRGB規格のカメラですので、sRGBのガンマ値2.2であることが望ましいのです。
ですが、全体的に2.1程度です。派手に色が出ないためにこのガンマ値が設定されている可能性もあります。なんともいえませんが。

色域

液晶パネルの仕様では、NTSC比60%としています。
カバー率(比べる色空間の色をどれだけ再現できるか)ではなく、面積比(比べる色空間の色域面積と液晶パネルが持つ色域面積の比)なので、実測定は異なる可能性があります。

また、CX6はsRGB規格ですので、sRGBの色域との比較を行ないます。
AdobeRGBは色域が規格外に大きいので、比較しません。この色域があってもこのカメラでは意味ないですから。

cie1931_cx-6.jpg
CIE1931色度図上のCX6の液晶パネルの色域です。

平均的な色域です。狭くもなく、広くもなく。
一昔前や今の激安ノートPCなんかの液晶パネルの色域よりは広いです。最近はsRGB100%カバーやNTSC比で72%程度が普通になっているので、少し狭いかもしれません。

cie1931_cx-6-srgb.jpg
CIE1931色度図上のCX6の液晶パネルの色域とsRGB色空間との比較です。

黒く塗りつぶされているのが、sRGBの色空間で、青色の点が白色点(相関色温度)です。
黒線がCX6の液晶パネルの色域で、赤色の点が白色点(相関色温度)です。

100%カバーではありませんが(これは液晶パネルの仕様で分かる)、狭いというほどの色域ではありません。
しかし、sRGBではオーバーしている部分があるため、この液晶パネルはsRGBに合わせたのではなく、NTSCに合わせているのかもしれません。

輝度の項目で記載しましたが、バックライト出力により色域が本当に少しだけ狭くなります。

各数値については以下に表でまとめます。

色空間 sRGB NTSC
カバー率 カバー率
色域 約83% 約89% 約63% 約63%

※CX6の色域はNTSCの色空間からオーバーしないため、カバー率および比は同値です。

視野角

液晶パネル仕様では、Vistarichが使用されている記載されています。
Vistarichは、現在はジャパンディスプレイが製造しているAFFS技術を基にしたFFS方式の液晶パネルです。広視野角、高コントラスト比が特徴です。

cx-6_1.jpg
正面から。

FFS方式は、IPS方式と同じく広視野角(液晶のスイッチング原理が同じなので)です。
角度をとっても綺麗です。TN方式のように階調が反転して真っ黒、VA方式のように色が抜けて白くなるということはありません。

cx-6_2.jpg
基本角度(上下/左右)では、このような視野角ですが、この間の視野角では色付きおよび色抜けが発生します。

cx-6_3.jpg
白っぽくなっていることが分かります。

光漏れ

輝度項目で散々書いていますが、光漏れが顕著です。

cx-6_11.jpg
見ての通り、額縁付近で赤くなっている部分が光漏れです。かなり多い量です。
赤くなっている件は“液晶方式”の項目で記載します。

視野角を付けて撮影しているため、このように光漏れが分かりますが、正面から撮影すると低減されます。

cx-6_4.jpg
黒が“沈み込む”ということはありませんが、綺麗に表示されています。

cx-6_9.jpg
黒画像を表示した場合ですが、この画像を見てもどこに画面があるか分からないと思います。
左上に“0”と表記がありますが、これは私が黒画像であることを分かりやすくするために付けたものです。

液晶方式

視野角の項目でも書きましたが、液晶パネルの仕様では、Vistarichが使用されている記載されています。
Vistarichは、現在はジャパンディスプレイが製造しているAFFS技術を基にしたFFS方式の液晶パネルです。広視野角、高コントラスト比が特徴です。

画素形状を見るとFFS方式の特徴的な画素が確認できます。

cx-6_10.jpg
この画素構造からマルチドメイン化していることが分かるのですが(ドットの真ん中に横に黒い線が走っているのが、ドメイン境界線です)、どうもうまくできていないのか、光漏れの所為なのか分かりませんが、色付きが顕著に発生します。

cx-6_11.jpg
光漏れ項目で掲載した画像ですが、左右の額縁付近で光漏れを起こしているバックライト光は赤色です。

cx-6_5.jpg
そして、角度を変えると赤の色付きが顕著になります。
左右額縁付近だけではなく、画面全体が赤色の色付きが発生しています。

cx-6_6.jpg
しかし、別角度からだと青色になります。黒がメインの画像のためあまり違和感はないと思いますが、光漏れの項目の2枚目の画像と比べると青色の色付きが発生していることが分かると思います。

このような現象を複屈折位相差といいます。
シングルドメインの場合、青色と黄色の色付きが発生するため、これを平均化して色付きを低減するマルチドメイン化が行なわれています。が、このように色付きが起きています。しかし、シングルドメインのような青色と黄色ではなく、赤色と青色です。

黒画像表示時に視野角を取った際の画面部分の色付きを確認すると、画面全体に及んでいることが確認できます。

cx-6_8.jpg
赤色。

cx-6_7.jpg
青色。

このような基本角度(上下/左右)ではない角度からではこのような色付きを確認できますが、基本角度ではここまでひどい色付きにはなりません。
ですので、マルチドメイン化による広視野角化は全角度に向けたものではなく、基本角度を対象したものと思われます。

液晶パネルの表面処理

リコーHPでは、

広視野角・高コントラストの大型・高解像度液晶モニターが鮮やかな画像表示を実現。また、汚れ防止のフッ素コート、キズ防止のハードコート、反射防止のAR(アンチリフレクション)コートを施しているので、汚れやキズが付きにくく、屋外でも見やすいので、快適な撮影環境を提供します。

と表記されており、AR処理が施されています。

ソニーの“DSC-RX1R”でも同じくAR処理が行なわれていることが記載されています。

液晶パネルの表面処理には、大きく分けて3種類あります。 AG処理G処理、そしてAR処理です。

AG処理は、アンチグレア処理、非光沢処理などとも呼ばれ、PCモニターでよく用いられます。G処理は、グレア処理、光沢処理などとも呼ばれ、液晶テレビ、タブレット、スマートフォン、ノートPCなどでよく用いられます。

AR処置は、アンチリフレクション、反射防止処理などとも呼ばれます。あまり用いられる処理ではありませんが、外光(太陽光、蛍光灯など)からの影響による表示品質の劣化を極力避けなければならないディスプレイに用いられています。例えば、航空機のコックピットの計器ディスプレイ、医療用の診断ディスプレイ、そして太陽光が降り注ぐ環境で使用されるカメラです。

AR処理はAG処理やG処理に比べてコストの高い処理のため、あまり用いられていません。

画面を見るとG処理のように思えますが、G処理のような鏡面反射はあまり感じません。そして、AG処理のような白っぽさは当然感じず、G処理のクリアな画面を見ることができます。グレア処理とノングレア処理の良いとこ取りです。

ただ、まったく反射をしない訳ではありません。また、特殊なフィルムを接着してあるため、色付きの反射を少しだけ感じます。これは致し方ない部分です。良いとこ取りですが、完璧ではないということです。それでもこの欠点を大きく上回るほどの利点があります。

まとめ

以上で全測定データの掲載を終了です。

デジタル一眼レフに搭載されている液晶パネルと比べると、表示品質は落ちますが、それでもCX6の価格帯でこの品質は素晴らしいです。

この液晶パネルが発表されたのはかなり前ですので、微妙に仕様は変わっているかもしれませんが、測定値は仕様通りという感じです。
仕様がほぼ変わらず生産が続けられているのは、搭載されているカメラの数が多いため、簡単に仕様を変えることができないためでしょう。
色域や視野角の改善などを行なって欲しいところではありますが、現状でも十分といえば十分ですが。

当ブログ別館において、裏話的な記事を同時に投稿しています。

測定に使用したもの

  • リコーCX6
  • i1 Display Pro(測定器)
  • HTC J butterfly(主にカメラ)
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