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Samsung DisplayとLG Displayが特許訴訟で和解

特許侵害などによりSamsung DisplayとLG Displayの双方が訴訟を行なっていましたが、和解しました。

概要

9月23日、Samsung DisplayとLG Displayは、両社が両社に対して行なっていた特許無効審判などの全訴訟をすべて取り下げることを発表しました。

1年以上に渡って韓国を代表するディスプレイメーカーが訴訟合戦を行い、あまりにも大事になってきたため、途中で韓国政府が介入するまでに発展しました。

この訴訟合戦の原因は2012年4月5日のある事件から始まりました。

2012年4月5日

2012年4月5日、京畿地方警察庁の産業技術流出捜査隊が、元Samsung Mobile Display(以下“SMD”)の上級研究員に拘束令状を申請しました。元SMD上級研究員は、Samsungが持つアクティブマトリクス有機ELパネルの技術を、競合他社(以下“A社”)へ流出させた疑いで、拘束されました。また、元SMDの研究員と現研究員の計5名(内訳不明)と競合他社であるA社の役員5名の計10名が書類送検されています。

元SMD上級研究員は、A社の役員から『A社に転職すれば、役員級の待遇をする』という約束により、技術を流出を行なっています。2010年11月にSMDを退社し、A社の協力会社と偽装契約を結び、A社から1億9000万ウォンを受け取っています。2011年12月にA社に役員として入社しようとしますが失敗。中国のディスプレイメーカーと接触し、SMDとA社の技術を流出させようと準備していました。

書類送検された元SMD研究員は、2011年5月から12月に退社してA社に転職し、SMDが持つ有機ELパネル製造技術を流出させた疑いがあります。現職の研究員は、書類送検された元SMD研究員に、有機ELパネル開発の進行事項などをメールなどで伝えた疑いがあります。

このような技術流出があり、警察の捜査が行なわれ、かなり大きな出来事になりました。
競合他社であるA社は、察しがついていると思いますが、LG Displayです。一応非公開なのですが、韓国国内で大きなディスプレイメーカーは、LG Displayしかありません。厳密に言えば、この時はまだ4社がありましたが、うち3社はSamsung Electronics(サムスン電子)の子会社ですので、LG Displayしかありません。

このまま警察に任せればよかったのですが、ある事により、訴訟合戦へと変わっています。

訴訟合戦の要因になる“舌戦”

SMDは、技術流出を受け、”LG Displayの誠意ある謝罪と責任ある行動を促す”という公式な立場を明らかにしました。
詳しい内容は以下に記述しますが、かなり過激です。

捜査の結果、LG Display役員が直接犯罪に加担したことが分かった。LGの経営陣が技術力不足を短期間に挽回するために、Samsungの技術と人材の引き抜きを組織的に主導したという点で驚きを禁じ得ない。技術開発に失敗して有機ELパネル量産につまづいたLGが、技術格差を短期間で挽回するため、研究開発投資を増やすのではなく、競争会社の技術盗むことを選んだ。これによるSamsungの被害は天文学的な規模だ。

Samsungは世界の有機ELパネル市場の97%を席巻している。今回の技術流出で市場の3分の1を侵食されると仮定すると、その被害規模は5年間で最小でも30兆ウォンに達する。LGは謙虚に犯罪事実を認め、最高経営陣の誠意ある謝罪と不当な引き抜きを行なった人材に対する退職措置などの責任ある行動を取ることを促す。

徹底した追加捜査を通じて関連者を抜本的に根絶して厳罰に処して下さることを要請する。今回の事件を教訓にしてLGは健全な企業精神を持ち、技術開発と品質向上により、ますます競争が激しくなるグローバル市場で公正な競争を広げることができるようになることを希望する。

以上がSMDの“公式”の発表です。

『技術開発に失敗して、量産につまずいている』とありますが、周知の通り、LG Displayは有機ELテレビをSamsungより先んじて発売しています。

当然ながらLG Displayも黙ってはいません。LG Displayの反論は以下の通りです。

今回の事件で被疑者からいかなる技術情報も入手したことがない。警察が入手した可能性があると推定している資料は、有機ELパネル分野のエンジニアならばインターネットや書籍またはセミナー出席等により簡単に接することができる内容なので差別的な価値がない。

LG Displayは、被疑者が以前に勤めた会社の技術方式とは完全に異なった技術方式を採用している。また、競争会社から退職する以前の2009年にはこの技術方式で開発することを確定しており、また国策課題に公表された技術方式なので、入手の動機も成立しない。

LG Displayは、個人の職業選択の自由が尊重されなければならないと考えていて、転職禁止期間が終わっていない当社職員が競争会社に入社した事例が多数あるが問題にしなかった。最近3年間でLG Displayから競争会社に転職した研究員は会社で把握しているだけで30人以上で、2000年からは80人以上だ。

LG Displayは、会社で取得した情報が外部に流出しないように監視することはもちろん、転職禁止期間が終わってLG Displayに入社する職員が他会社の技術を流入する行為も厳格に禁じている。国内ディスプレイ業者がLGとSamsungしかない状況なので、ある程度の人材移動は避けられない現象である。このような現実を考慮しなければ、優秀な人材が海外に流出する可能性を排除することはできない。

Samsungは分社と合併などによる内部問題の解決のために今回の事件を利用するのをやめ、韓国ディスプレイ産業発展のために善意の競争に集中するだろう。

文章内に出てくる“異なった技術”ですが、Samsung Display(この時はまだSMD)は、RGBのドットの有機材を塗り分けて有機EL素子(RGB-OLED)を形成しています。LG Displayは、RGBの有機材を積層する白色有機EL素子(W-OLED)を形成しており、まったく異なった技術ではありませんが、別の方法で製作しています。

上記のように両社とも売り言葉に買い言葉です。

この後は、警察の捜査が進行して、4月13日に送検、26日にLG Display本社に家宅捜査、7月15日に11人(LG Display関係者4人、Samsung Display関係者6人)が起訴されました。一応の一区切りが行なわれたため、ここから企業間争いが勃発します。

2012年9月3日

2012年9月3日、Samsung Displayは、LG Displayが有機ELパネル技術侵害禁止の仮処分申請を行ないました。21の記録と18の技術について、営業秘密等の侵害禁止仮処分申請を行い、これら記録と技術を開示または使用した場合、1件当たり、10億ウォンを支払うように請求しています。

詳しい内容は分かりませんが、技術流失でLG Displayが得た内容のことだと思われます。
なお、SMDはサムスン電子の子会社であったSamsung LCD、S-LCDと合併して、社名がSamsung Displayに変わっています。

2012年9月27日

2012年9月27日、LG Displayは、Samsung Displayが有機ELパネルの特許を侵害しているとして訴えを起こしました。設計関連技術3件、駆動回路関連技術3件、機構設計関連技術1件の計7件の特許を、Samsung Displayが侵害していると主張しました。具体的には、有機ELパネルの放熱、狭額縁化(ナローベゼル)、電源配線構造に関する技術です。

LG Displayによれば、サムスン電子より販売されている“Galaxy S2”、“Galaxy S2 HD”、“Galaxy S3、“Galaxy note”、“Galaxy Tab7.7”で特許侵害が行なわれていることを確認しているとしています。

この訴訟に対してSamsung Displayは、『LG DisplayがSamsung Displayの技術を流出させた疑いによる否定的なイメージを払拭するためである』としました。また、『Samsung Displayは世界最高の有機ELパネルの技術を持っており、世界シェアは98%以上であり、韓国で約5,000件、アメリカで約1,900件の特許を持っているが、LG Displayは韓国で約800件、アメリカでは約600件程度である』としました。

このSamsung Displayの発言に対してLG Displayは、『特許の数が重要ではなく、登録された特許が侵害されたかである』と反論しています。

Samsung Displayが妙に上から言葉を言っていますが、LG Displayの一件があるためです。
Samsung Displayの言っていることはあまり良くないですね。特許数が多ければ、特許侵害をしても良い訳はないです。

2012年11月12日

Samsung Displayは、11月12日にLG Displayの有機ELパネルの特許7件に対して無効審判を行なったことを19日に明らかにしました。

この7件の特許は、2012年9月27日にLG Displayが行なった特許侵害訴訟でSamsung Displayが侵害しているとされた特許です。

2012年12月13日

2012年12月13日、Samsung Displayは、LG Displayが液晶パネルの特許を侵害したとして、損害賠償と関連技術が使用された製品の製造と販売の中止させる訴えを起こしました。

侵害された特許は、Samsung Displayが1997年11月に特許出願した“PLS(Plane to Line Switching)”技術に関するもので、LG Displayの“AH-IPS(Advanced High Performance In-Plane Switching)”技術に使用されていると主張しました。

これに対してLG Displayは『(LG Display)事業初期からIPS技術を発展させてきたが、Samsung DisplayがIPSの派生技術であるPLS技術で特許訴訟を行なったのは常識的に理解できない』としています。

さらにこれに対してSamsung Displayは、『PLS技術は独自技術であり、AH-IPS技術にはPLS技術が使用されている。IPS技術とは関係ない。』としています。

PLSとAH-IPSは、FFS方式を基にしています。
FFS方式は、同じく韓国ディスプレイメーカーであるHydis(開発時は現代電子産業)により開発されています。

2012年12月27日

2012年12月27日、LG Displayは、Samsung Displayが液晶パネルの特許を侵害したとして、損害賠償と関連技術が使用された製品の製造、販売を中止させる訴えを起こしました。

侵害された特許は、LG Displayが持つIPS技術の3件特許で、Samsung DisplayのPLS技術に使用されたと主張しました。これに対してSamsung Displayは、『LG Displayの特許3件は、すでに日立などの日本企業が先行して出願したものであり、新規性と進歩性が大きく欠如している』としています。

2013年1月15日

Samsung Displayは、2013年1月15日にLG Displayの液晶パネルの特許3件に対して無効審判を行なったことを17日に発表しました。

この3件の特許は、2012年12月27日にLG Displayが行なった特許侵害訴訟でSamsung Displayが侵害しているとされた特許です。

2013年2月4日:政府介入

このような泥沼化した争いになり、韓国政府が介入の動きを見せ始めました。

2013年2月4日、政府の介入により和解交渉が準備され、LG DisplayとSamsung Displayの両社社長と政府仲裁役である金宰弘(キム・ジェホン)知識経済部成長動力室長の3名で昼食会合が行なわれました。具体的な内容は分かりませんが、金宰弘氏によれば話合い自体は良い雰囲気で行なったとのことでした。

2013年2月12日/2月20日

2013年2月12日、Samsung Displayは、2012年9月に行なった有機ELパネルの技術侵害禁止の仮処分申請を取り下げました。
同年2月20日、LG Displayは、2012年12月に行なった液晶パネルの特許侵害による販売禁止仮処分申請を取り下げました。

政府介入のおかげか、両社が行なっていた訴えのひとつを取り下げました。

2013年3月21日

2013年3月21日、Samsung DisplayとLG Display間の訴訟合戦は、一応の収束が行なわれてつつありましたが、この訴訟合戦に間接的に係わっていた2社が異議というか文句を言い始めました。Samsung DisplayとLG Display双方の親会社であるSamsung電子とLG電子です。両社とも『特許を無断で使用しているのに、この補償がないのはおかしい』という立場を表明します。

これについては政府の介入があったからか、これ以上、事は大きくなりませんでした。

2013年4月9日

上記の一件を合わせて、ややこしい状態に突入します。

2013年4月9日、ソウル地方警察庁国際犯罪捜査隊は、競合他社の技術を不当に得た疑いがあるため、Samsung Displayを家宅捜査しました。Samsung Displayは、LG Display(競合他社)のパートナー会社から技術情報を得たものとして捜査が行なわれました。

折角の和解ムードが一気に冷めた形となりました。
また、この一件も少しおかしな部分もあり、韓国国内では疑問が呈されました。ただ、韓国国内(というか報道とか)は、Samsungに肩入れすることが多いため、Samsungに有利な情報しか出ていないということあります。

2013年9月23日

LG Displayの一件で、立場が上だったSamsung Displayでしたが、4月9日の一件により自社も同じ立場になり、声が小さくなりました。報道も天下のSamsungに配慮してなのか、報道されることが少なくなりました。

4月9日からほとんど音沙汰がない状態が5ヶ月続きました。

そして、2013年9月23日、Samsung DisplayとLG Displayは、両社が申請していた特許無効審判などの全訴訟をすべて取り下げることを発表しました。発表では『今回の合意は特許訴訟と特許無効審判を相互取り下げることで特許紛争を止め、対話による特許協力の摸索に集中することにした』とコメントしています。

両社個別のコメントは、次の通りです。

Samsung Displayは、『両社が法的紛争を解消して、より建設的な方向で協力していく契機になる。両社がグローバル競争力を向上させてディスプレイ産業発展に寄与できるだろう』とコメントしています。

LG Displayは、『グローバル観点で両社の特許競争力を向上するのが最も重要な状況だと認識した。特許訴訟と審判請求を取り下げたことは法的紛争でない対話による特許協力の摸索に注力するため」とコメントしています。

おわりに

これにて泥沼の戦いが終了しました。
個人的な感想ですが、ものすごく幼稚な争いだったと思います。こうまとめて見て尚更そう思います。

特許を守ることは大事だとは思いますが、もう少し落ち着いた対話ができないのでしょうかね。
途中で政府が介入しているため、和解まで行きましたけど、介入が無ければ、まだ争っていた可能性は十分あったと思います。

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