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Sharp – DS、DS Lite用液晶パネルの独禁法違反の審判請求が棄却される

Sharpが行なっていた任天堂から販売されたニンテンドーDS、ニンテンドーDS Lite用液晶パネルの独占禁止法審判請求の請求が棄却されました。

概要

今回の(かなり前からの審査ですが)違反は、2つの事件が込みで審査されています。

任天堂が販売している“ニンテンドーDS”用の液晶パネルと同じく任天堂の“ニンテンドーDS Lite”用の液晶パネルでの価格カルテルです。

ニンテンドーDS(以下“DS”)の事件は“3号事件”、ニンテンドーDS Lite(以下“DS Lite”)は“1号事件”と呼ばれています。

1号事件

概要

シャープは、平成19年(2007年)第1四半期(平成19年1月から3月まで)受注分のDS Lite用液晶パネルの販売価格について日立ディスプレイズと共通意思を作り、他会社の参入を実質的に制限しました。
これは独占禁止法第2条第6項の不当な取引制限に該当し、同法第3条に違反するため、平成20年(2008年)12月18日にシャープと日立ディスプレイズに対し排除措置を命じられました。

独占禁止法第2条第6項

第2条:この法律において「事業者」とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者をいう。事業者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、次項又は第三章の規定の適用については、これを事業者とみなす。

第6項:この法律において「不当な取引制限」とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義をもつてするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。

独占禁止法第3条

第3条:事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。

詳細

シャープ担当者(本名は伏せます)と日立ディスプレイズ担当者(本名は伏せます)は、平成18年(2006年)7月頃からDS Lite用液晶パネルの販売価格について情報交換を行いました。

日立ディスプレイズ担当者は同年9月5日にシャープ担当者に電話をかけ、シャープ担当者が日立ディスプレイズ担当者に対して、同月7日にDS Lite用液晶パネルの平成19年(2007年)第1四半期価格を上下画面2枚合わせて3,430円で提示する予定であると伝えています。

DS Liteの液晶パネル

DS Liteは上、下画面の計2枚の液晶パネルが使われています。
DSとは違い、上下画面の仕様が異なり、またメーカーの違いにより表示に問題がでるため(残像が出る)、セットによる販売が行なわれています。

日立ディスプレイズは同期販売価格を3,300円と検討していました。シャープの提示価格を知ったため、販売価格を90円引き上げ、任天堂に対して販売価格3,390円を提示しました。

平成18年11月7日頃、日立ディスプレイズ担当者はシャープ担当者に対して、日立ディスプレイズの平成18年第4四半期受注分の販売価格を3,440円であること、平成19年第1四半期の販売価格を3,390円で提示したことを伝えています。これに対してシャープ担当者が日立ディスプレイズ担当者に対してシャープの現行価格は3,470円であること、平成19年第1四半期の販売価格は未提示であることを伝えています。

シャープは平成18年11月17日頃、DS Lite用液晶パネルの平成19年第1四半期の販売価格について、発注量に応じて3,430円、3,390円、3,370円の3案を提示し、3,390円で契約されています。

日立ディスプレイズは、シャープとの情報交換を元に、平成19年第1四半期価格を3,390円として3度提示し、平成18年12月4日に3,390円で契約を行なっています。

補足情報

シャープは、平成18年(2006年)8月に任天堂からの要請であった無輝点化に対応しています。
無輝点化対応をしない場合の液晶パネル原価は3,165.43円で、このまま無輝点化を対応を行なった場合、228円増額することが見込まれました。しかし、液晶パネル設計の見直し――となっているのですが、説明では『基板上のパネル数の増加』となっているので、製造に使うマザーガラス基板を大型化して面取り数の向上させたことによるコストダウンだと思われます――と歩留まりの向上(これは製造レベルが同じなら基板世代を変え、面取り数の向上により実現可能)により、製造原価を3,149.73円にできると推定し、黒字が確保できる価格を3,370円と推定します。しかし、任天堂の予想要望価格は3,350円(原価割れ一歩手前)と推定されましたが、DS Liteの需要が伸びること、工場の生産能力に余剰があり稼働率向上が望めることから、価格ではなく、受注量を可能な限り受けるべきと考えます。

無輝点化

液晶パネルで点灯しないドットをゼロにすること。ドット抜け、ドット欠けがないということ。

マザーガラス基板

大きな基板上に複数枚の液晶パネルを同時に製造しています。この時に使う基板のこと。
大型基板で複数の液晶パネルを同時に製造することで、コストダウンが図れます(例外あり)。

面取り数

一枚のマザーガラス基板から取れる液晶パネルの枚数。

平成18年9月15日のシャープと任天堂の商談において、平成19年(2007年)第1四半期価格について月間300万セット(液晶パネル枚数では600万枚)では3,410円、270万セットでは3,430円を提示します。任天堂には時間の余裕があったため、この期の契約を行なわず、平成18年第4四半期分について月間270万セットを3,470円で発注することを契約します。

任天堂は月間300万セットで3,410円は努力不足であるとシャープ側に述べ、シャープは300万セットの注文するならば3,410円以下を検討することを伝えています。このため、シャープでは製造原価などを再検証しますが、同年10月の実績を踏まえた平成19年第1四半期の原価は、平成18年9月時の3,149.73円(冒頭部分)より約42円高くなることが予想されたため、利益ゼロ計算を行い3,390円を提示価格とします。

平成18年11月17日のシャープと任天堂との商談において、平成19年第1四半期価格について月間270万セットで3,430円、300万セットで3,390円、350万セットで3,370円と提示し、任天堂は月間300万セットの発注を前提に3,390円を採用します。この際に任天堂は、その後の実売状況によっては数量をアップする可能性があると述べたたため、数量アップのため平成18年12月に再度商談を行うことを合意した。

平成18年12月6日のシャープと任天堂との商談において、平成19年第1四半期価格について月間350万セットで3,370円と提示しますが、任天堂はこれを受け入れませんでした。このためシャープは月間330万セットの発注を前提に3,370円を提示し、任天堂側は検討すると述べました。

平成18年12月6日のシャープと任天堂との商談において、平成19年第1四半期価格について1月、2月は月間330万セット、3月は月間350万セットの発注を前提に3,370円と提示します。しかし、任天堂は数量が多いことから更に価格を引き下げることを求めます。このため、シャープは先述の数量を前提に3,350円を提示します。これに対して任天堂は3,350円であれば、1月から3月まで月間350万セットを発注すると述べます。このため、シャープと任天堂は平成19年第1四半期について月間350万セットを発注することを前提として3,350円で契約をしています。

平成18年12月8日、独占禁止法の規定に基づき審査が開始されると、上記共通意思に基づく行為は取りやめられました。

平成21年(2009年)2月2日に、排除措置命令の取り消しを求めて審判請求を行なっています。

シャープと日立ディスプレイズの2社のDS Lite用液晶パネルの販売量の合計は、DS Lite用液晶パネルの総販売量の全てを占めていました。

3号事件

概要

シャープは、平成17年度(2005年)下期(平成17年10月6日頃以降の直近の価格改定日から平成18年(2006年)3月31日までの間)受注分のニンテンドーDS用液晶パネルの販売価格について、現行価格から100円を超えて下回らないようするという共通意思を日立ディスプレイズと作り、他会社の参入を実質的に制限しました。
これは独占禁止法第2条第6項の不当な取引制限に該当し、同法第3条に違反し、同法第7条の2第1項第1号に規定する商品の対価に係わるものであるため、平成20年(2008年)12月18日にシャープ対して課徴金2億6,107万円の納付が命じられました。

独占禁止法第7条の2第1項第1号

第7条の2:事業者が、不当な取引制限又は不当な取引制限に該当する事項を内容とする国際的協定若しくは国際的契約で次の各号のいずれかに該当するものをしたときは、公正取引委員会は、第八章第二節に規定する手続に従い、当該事業者に対し、当該行為の実行としての事業活動を行つた日から当該行為の実行としての事業活動がなくなる日までの期間(当該期間が三年を超えるときは、当該行為の実行としての事業活動がなくなる日からさかのぼつて三年間とする。以下「実行期間」という。)における当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した売上額(当該行為が商品又は役務の供給を受けることに係るものである場合は、当該商品又は役務の政令で定める方法により算定した購入額)に百分の十(小売業については百分の三、卸売業については百分の二とする。)を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。ただし、その額が百万円未満であるときは、その納付を命ずることができない。

第1号:商品又は役務の対価に係るもの

詳細

任天堂は、平成17年(2005年)9月末頃、DS用液晶パネルを160万枚を平成17年度下期に追加発注することを決定し、シャープと日立ディスプレイズの2社に対して、価格を提示するように求めます。

シャープ担当者と日立ディスプレイズ担当者は、同年10月6日にシャープ事務所内会議室において面談します。DS用液晶パネルの現行販売価格が1,900円であることを確認し、平成17年度下期に追加発注分を現行価格から100円を超えて値下げしないことの話し合い、平成17年度下期に追加発注分の価格を1,820円にすることに合意します。

補足情報

任天堂は、DS用液晶パネルの開発段階からシャープに対して協力を依頼し、技術仕様の開示、評価試験を経て、平成16年(2004年)9月頃にシャープとDS用液晶パネルを購入することを合意します。シャープは同月頃からDS用液晶パネルを販売し、任天堂は同年12月からDSの販売を開始しています。

任天堂は開発段階から、液晶パネルの価格を下げるため、DS用液晶パネルを複数社から購入することにしていましたが、日立ディスプレイへの開発依頼を行った時期が、シャープへの依頼時期より遅れたため、日立ディスプレイズは評価試験を経て、平成17年2月頃からDS用液晶パネルを販売しています。

任天堂とシャープ、日立ディスプレイは、原則として四半期に一度、ほぼ同じ時期に交渉をして、液晶パネルの価格と購入数量を決定していました。

平成16年12月29日、シャープと任天堂は商談を行い、その際に任天堂の担当者が日立ディスプレイズのDS用液晶パネルに関する情報として、日立ディスプレイのサンプル評価がほぼ終了したこと、平成17年(2005年)2月末から納入可能であること、数量は月間100万枚であることを述べています。

平成17年2月上旬頃、日立ディスプレイ担当者はシャープ担当者に対して、日立ディスプレイズの同年4月以降納入分のDS用液晶パネルの提示価格が2,400円であることを示唆します。これを受けて、シャープ担当者は、平成17年2月11日頃、「ニンテンドーDS/PSP最新動向」と題する文書により、日立ディスプレイズからの情報として、日立ディスプレイズがDS用用液晶パネルを2,400円で提示していることを報告しています。

同年3月16日、シャープと任天堂は商談を行い、DS用液晶パネルの4月納入分150万枚を2,400円で3月中に納入することを提案し、任天堂は承諾しています。

任天堂は、平成17年10月5日の商談において、同月7日までに価格を提示するように求めます。

シャープの平成17年第4四半期の製造原価は1,839.30円、平成18年第1四半期の製造原価は1,806.01円であり、多項式近似法により得られた任天堂の予想要望価格は1,820円でした。このため、粗利を確保できる1,840円以上が望ましいと考えますが、値下げ要求があることを見据えて1,850円を提示することにし、同月7日にこの価格で提示を行なっています。

平成17年10月13日の商談ではシャープ担当者は、原価割れしない1,840円が望ましいが、最終的には1,820円とすることも覚悟していることを代理で商談に出席する人(本名は伏せます)に伝えます。 同日の商談において、任天堂は日立ディスレプレイがシャープ提示価格である1,850円より安い価格を提示しているため、1,820円を下回る価格を提示しなければシャープの納入シェアは62%にまで下がるとシャープに述べます。これに対してシャープは、納入シェア70%を確保するため1,820円を提示し、任天堂はこれを受け入れます。

平成21年(2009年)2月2日に、課徴金納付命令の取り消しを求めて審判請求を行なっています。

シャープと日立ディスプレイズの2社のDS用液晶パネルの販売量の合計は、DS用液晶パネルの総販売量の全てを占めていました。

日立ディスプレイズ

上記でシャープと共にカルテルを行なっていた日立ディスプレイズは1号事件のみ違反に該当します。

日立ディスプレイズは、平成19年(2007年)第1四半期(平成19年1月から3月まで)受注分のニンテンドーDS Lite用液晶パネルの販売価格についてシャープと共通意思を作り、他会社の参入を実質的に制限しました。
これは独占禁止法第2条第6項の不当な取引制限に該当し、同法第3条に違反するため、平成20年(2008年)12月18日に日立ディスプレイズとシャープに対し排除措置を命じられました。

違反事実はシャープでの1号事件と同じです。なお、シャープは任天堂に直接販売していましたが、日立ディスプレイズは八州電機を通じて販売していました。

平成21年(2009年)2月13日に審判請求を行い、同月27日に独占禁止法70条の6第1項の規定に基づき排除措置命令の執行免除の申し立てを行い、同年3月9日に保証金1,000万円を供託しますが、同年9月25日に審判請求を取り下げ、排除措置が確定しています。この際、保証金1,000万円のうち200万円が没取されています。

独占禁止法70条の6第1項

第70条の6:公正取引委員会が排除措置命令をしたときは、被審人は、裁判所の定める保証金又は有価証券(社債、株式等の振替に関する法律第二百七十八条第一項 に規定する振替債を含む。次条第一項及び第七十条の十四において同じ。)を供託して、当該排除措置命令が確定するまでその執行を免れることができる。

日立ディスプレイズの対応

平成18年(2006年)12月8日に申立人が独占禁止法の規定に基づき審査を開始したことを受け、同月13日付けで『【至急;重要】液晶パネル公正取引問題関連;「社外コンタクト禁止」の件』と題する社内通知を出しています。

  • TFT液晶ディスプレイのパネルメーカー11社(シャープを含む。)とその他の同業他社とのコンタクトの禁止。
  • 役員、営業・マーケティング部門に所属する者(役職不問)、その他TFT液晶ディスプレイの価格決定に関与する者(役職不問)は、原則としてコンタクトをすべて禁止。
  • 価格・生産・顧客等に関する話題を含む可能性がないことを明らかな場合に限り、法務部門の事前了解(書面又は記録に残るe-Mailによる)の上でコンタクトを可とする。
  • 平成19年(2007年)7月31日、同年12月20日にも社内通知を出しています。
  • 平成21年(2009年)5月1日からは「独占禁止法厳守のための同業他社とのコンタクト禁止に関する規則」を実施。
  • 平成19年3月14日から平成21年9月29日まで関連会社を含む社員に対して独占禁止法に関する教育、研修を受講させ、回数は35回(保証金没取までに)行なっています。

保証金の没取

排除措置命令の執行免除の申し立てを行い保証金1,000万円を供託しますが、審判請求を取り下げ、排除措置が確定しています。この際、保証金1,000万円のうち200万円が没取されています。

200万円である理由は、日立ディスプレイズが

  • 排除措置命令を免れた期間は約6ヶ月であること。
  • 審判請求権を濫用せず、長期化させなかったこと。
  • DS Lite用液晶パネルでシャープと共通意思を形成し、競争を制限したこと。
  • 上記、共通意思は、平成18年(2006年)12月8日に申立人が独占禁止法の規定により審査を開始したことから平成19年(2007年)第1四半期の取引が開始される前になくなっていたこと。
  • 共通意思の継続をすることを不可能にする同業他社とのコンタクトを禁止する社内通知を出したこと。
  • 上記社内通知以外にも、社内教育、研修を実施して独占禁止法違反を予防する社内活動を行なっていること。
  • DS Lite用液晶パネルの販売先である任天堂は世界有数の携帯用ゲーム機の製造販売会社(公知の事実)であり、価格交渉力を有すこと。

上記事実により、200万円となっています。

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