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韓国海軍天安(チョナン)沈没事件合同調査結果報告書全訳 - 付録

韓国海軍天安(チョナン)沈没事件合同調査結果報告書全訳 - 付録

第4章 | 目次 |


付録

  1. CCTV復元および分析結果
  2. 水中爆発現象
  3. 爆発方向および位置判断結果
  4. 爆薬量および爆発水深判断結果
  5. 吸着物質分析結果
  6. 復原性分析結果
  7. 船体基本強度解析結果

付録 1.CCTV復元および分析結果

1.概要

CCTV分析のために先に統制コンピュータ位置(士官室)、カメラ内外部設置位置と数量、CCTV特性などの現況を設置業者と協力して確認した。また、沈没原因把握に役に立つと予想される舷門とガスタービン室録画資料の内事件当日21:00以降のCCTV映像を優先的に復元するという計画を立て、4月24日艦首引き揚げ時CCTV統制コンピュータを最優先的に回収してハードディスク復元専門業者である(株)Myung Information Technology(忠北清原郡梧倉邑所在)に復元を依頼した。

cheonan4_1.jpg

<画像付録1-1-1>天安CCTV位置図

2.復元手続き

CCTV復元作業はハードディスクが約1ヶ月間海底にあった関係で油、砂地などの異物質がハードディスク表面に沈着されていて復元自体が不透明だった。6日間最も成功率が高い高純度アルコールと蒸溜水、乳化剤などを使用、噴霧および超音波洗浄過程を繰り返して異質物除去を試みたが完全に洗浄されなかった。

これに伴い専門家会議を招集。民間業者が提示した「ハードディスク表面を部分的に削る方法」と合調団分析チームで提示した「異質物を溶解させる方法」を置いて議論した結果、最初の試みだが異質物溶解の方が成功する確率が高いと判断して、これを慎重に試みることに決めた。

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<画像付録1-2-1>CCTV復元手順

国防部調査本部科学捜査研究所に異質物に対する成分分析を依頼した結果、異質物はアルミニウム成分で、これを除去できる溶解液は水酸化ナトリウムという事実を確認した。その後、ディスク損傷防止のために溶解液の温度と濃度を極少量から始めて次第に増やし2日間で数十回にかけた試み、最終的に沈着したアルミニウムを除去するのに成功した。これで合計11個のCCTVカメラ中、胴体動きがなくて撮影されなかった5ヶ所の映像を除いた6個のカメラの映像を部分的に復元した。

3.復元結果

天安CCTVは11ヶ所カメラそれぞれの時計と統制コンピュータ上の時計で発生する一般的な時間誤差があり撮影範囲内動きを感知する場合にだけ撮影されて、撮影映像は1分後保存される特性と生存者陳述を土台に分析した結果最終撮影されたCCTVはガスタービン室CCTVで21:21頃(CCTV内は21:17:03)作動を止めたと推定した。

順番 設置場所 映像内容 画面表示時刻
開始 終了 時間
1 ディーゼル機関室後部(艦尾) 安全当直員巡回査察の姿 21:12:23 21:13:06 43秒
2 ディーゼル機関室前部(艦尾) 1.2名の勤務の姿
2.安全当直員巡回査察の姿
21:02:21 21:13:16 10分55秒
3 冷却機室(艦首) ファイル損傷のため人員確認不可能 21:02:40 21:15:50 13分10秒
4 ガスタービン室前部(艦尾) 安全当直員巡回査察の姿 21:15:20 21:16:12 52秒
5 操舵装置室 1.3名の体力鍛錬の姿
2.2名の出入りの姿
3.安全当直員巡回査察の姿
21:02:20 21:17:01 14分41秒
6 ガスタービン室後部(艦尾) 安全当直員巡回査察の姿 21:02:20 21:17:03 14分43秒
合計 6箇所 移動した人8名 21:02:20 21:17:03 合計:55分04秒

<表付録1-3-1> CCTV復元内容

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<画像付録1-3-1>CCTVの録画場面

4.分析結果

天安CCTVを復元した結果、ガスタービン室とディーゼル機関室の姿、安全当直者の巡回査察の姿、操舵室で体力鍛練中である姿が確認された。観察された隔室の正常な姿と乗務員の服装と表情、艦艇の安定的運航状態などを見る時、天安は事件発生直前まで座礁など非常状況はなく正常に任務を遂行しており、突然の爆発で船体が切断されて沈没したという事実を確認した。

付録 2.水中爆発現象

1.水中爆発の物理的現象[1]

爆薬が水中で爆発すれば非常に高い圧力の衝撃波が水中で伝播して、高温(2,000-6,000K)、高圧(150-400Kbar)の爆轟生成物質(Detonation products)により球体型バブルが形成される。<画像付録2-1-1>は衝撃波とバブルパルス、そしてバブルの成長過程を時系列にした物。水中爆発によって発生した衝撃波の初期速度(-7km/s)は非常に早く、球面波(Spherical wave)で伝播するが、爆発地点から遠ざかるにつれ速度は急速に減少して音速(-1.5km/s)より低くなる。また、衝撃波が伝播すると核最大爆風圧 (Peak overpressure)の大きさ(Pm)は減少して波形を引き伸ばすことになる。したがって、水中衝撃波の圧力は爆薬の種類、重量(W)、測定距離(R)そして時間(t)に依存して、下(1)式のように表現される。

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この「K,α;K',α'」は爆薬の種類によって他の定数値を持つ。

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<画像付録2-1-1>衝撃波とバブルの時間-圧力曲線

<画像付録2-1-1>の衝撃波の後のバブルパルスは、ガス生成物(Gaseousproducts)により形成されたバブルが膨張する瞬間に放出される圧力波形で、衝撃波に比べて圧力が非常に低く時間的に非常に遅い現象だ。バブルの高い初期圧力と温度によってバブルは球面外側に水を押し出して膨張して、その慣性によって圧力平衡点(爆発地点での水圧)を過ぎてから止まることになり、最大に膨張したバブルの内部圧力は約0.01気圧以下で非常に低くなる。したがって、バブル周囲の水圧がバブル内部の圧力より相対的に高まることになって、バブルは収縮することになる。収縮するバブルは圧力平衡点をすぎても収縮することになるため、バブル内部の圧力は数百気圧まで増加することになり、この時、バブルは再び膨張してパルス圧力を放出することになる。このようなバブルの膨張と収縮が繰り返されながらバブルは振動することになる。このようなバブルの脈動(Pulsation)現象は衝撃波伝播現象に比べて時間的に非常に遅い現象であるから重力が作用してその体積が最小に減るということと同時に突然水面側に移動(Jump)することになる。

このような衝撃波の発生と伝播、バブルの膨張と収縮に必要とされるエネルギーの配分は<表付録2-1-1>のように分類されると知られている[2]。すなわち、衝撃波エネルギーは爆薬の爆発と同時に水中で伝播する球面衝撃波の放射エネルギーと伝播にともなうエネルギー損失で消耗して、バブルエネルギーは水との相互作用によるエネルギー、放射エネルギーおよびバブルパルスエネルギーなどで消耗する。

また、浅い水中爆発(Shallow depth UNDEX)の場合にはバブルパルスエネルギーの大部分が1次バブル周期以内に消耗すると知られている。

総放出エネルギー(100%) 初期衝撃波エネルギー(53-54%)
1次バブル振動エネルギー(46-47%)

<表付録2-1-1>水中で爆発した弾頭のエネルギー配分:アルミニウムが含まれなかった理想的な爆薬の場合

<画像付録2-1-2>は<画像付録2-1-1>の一部分を拡大したもので、水中衝撃波伝播現象の理解に大変重要ないくつかの変数を見せる。

cheonan4_6.jpg

<画像付録2-1-2>衝撃波Parameters

また、TNT以外の爆薬に対する水中爆発性能比較のためには下のような新しい用語を定義する必要性がある。

(1)同一重量出力比
Equal weight ratio(D wd)
同じ距離で同じ重さの二つの爆薬に対する特定変数(初期圧力、時定数、衝撃量、エネルギー)の出力比。
(2)同一体積出力比
Equal volume ratio(D vd)
同じ距離で同じ体積の二つの爆薬に対する特定変数(初期圧力、時定数、衝撃量、エネルギー)の出力比。
(3)等価重量比
Equivalent weight ratio(W Dd)
同じ距離で同じ大きさの特定変数を持っている二つの爆薬の重量比。
(4)相対的バブルエネルギー
Relative bubble energy(RBE)
初期のバブル周期定数の3乗。cheonan4_96.jpg
(5)相対的潜在バブルエネルギー
Relative potential bubble Energy (RPBE)
最大バブル半径定数の3乗。cheonan4_97.jpg

1)水中衝撃波特性

高性能爆薬の水中爆発によって発生した水中衝撃波の特性を現わす変数Pm、θ、I、Esなどは爆薬の重量と爆薬から測定位置までの距離(R)に依存して、次のような衝撃波相似関係式[4](Similitude relation)を見せる。

cheonan4_7.jpg

ここでKとαは特定爆薬に対する定数、Rは爆薬と測定地点の間の距離(m)、Wは爆薬重量(kg)を現わす。また、<表付録2-1-2>はいくつかの爆薬に対する衝撃波相似関係式の定数を現わしたもので、<表付録2-1-3>は20kg以上の爆薬に適用されるいくつかの爆薬に対する同一重量出力比(Equal weight ratio)を現わす。<画像付録2-1-3>はTNT重量(kg)にともなう測定位置(R)別ピーク圧力(Pm)を現わす。

爆薬\衝撃パラメータ Pm θ/W1/3M 1/W1/3 E/W1/3 Range of validity(MPa)
K α K α K α K α
TNT 52.4 1.13 0.084 -0.23 5.75 0.89 84.4 2.04 3.4-138
ペントライト 56.5 1.14 0.084 -0.23 5.73 0.91 92.0 2.04 3.4-138
H-6 59.2 1.19 0.088 -0.28 6.58 0.91 115.3 2.08 10.3-138
HBX-1 56.7 1.15 0.083 -0.29 6.42 0.85 106.2 2.00 3.4-60
HBX-1 56.1 1.37 0.088 -0.36 6.15 0.95 107.2 2.26 60-500
HBX-3 50.3 1.14 0.091 -0.218 6.33 0.90 90.9 2.02 3.4-60
HBX-3 54.3 1.18 0.091 -0.218 6.70 0.80 114.4 1.97 60-350

<表付録2-1-2>爆薬に対する衝撃波関係式の定数

爆薬 Equal weight ratio Equal weight ratio (RBE)TNT (ROBE)TNT
Dwd(relative to HBX-1) Dwd(relative to TNT)
Pm θ I E Pm θ I E
HBX-1 1.00 1.00 1.00 1.00 1.08 0.99 1.12 1.26 1.48 1.44
TNT 0.92 1.01 0.90 0.79 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00
HBX-3 0.89 1.10 0.99 0.86 0.96 1.08 1.10 1.08 1.93 1.82
H-6 1.04 1.06 1.02 1.09 1.13 1.05 1.14 1.37 1.69 1.59
ペントライト 1.00 1.01 0.89 0.87 1.08 1.00 1.00 1.09 1.00 1.02

<表付録2-1-3>衝撃波とバブル転換係数(Conversion factors)

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<画像付録2-1-3>爆薬(TNT)から距離R離れた地点での衝撃波初期圧力(画像左)
<画像付録2-1-4>いくつかの測定位置での時間にともなう衝撃波圧力の変化(画像右)

また、<画像付録2-1-4>はTNT 250kgが水中爆発した時、各測定位置(R)での時間にともなう衝撃波の圧力変化を見せて、<画像付録2-1-5>は衝撃波のピーク圧力PmがPm/eになる時間(θ)に対する変化を示している。このようなP(t)とθの情報は衝撃波による衝撃量cheonan4_9.jpgを計算するのに非常に有用な情報となる。

TNT爆薬からR離れている所での衝撃波衝撃量は<画像付録2-1-6>のように計算できることになる。

cheonan4_10.jpg

<画像付録2-1-5>いくつかの距離で爆発した爆薬の重量にともなうθ値の変化(画像左)
<画像付録2-1-6>TNT爆薬重量にともなう衝撃波の衝撃量(画像右)

2)水中バブル特性

水中バブルの特性は<画像付録2-1-1>で詳しく説明した。Willis P. M.実験を通じてバブルの振動周期(T)と最大半径(Am)を次のような式で提示した。ここで、特定爆薬に対するバブル定数であるK、Jは<表付録2-1-4>とともに知られている。

cheonan4_11.jpg
爆薬 J K
TNT 3.50 2.11
ペントライト 3.52 2.11
HBX-1 3.95 2.41
HBX-3 4.27 2.63
H-6 4.09 2.52

<表付録2-1-4>特定爆薬に対するバブル関連定数

<図付録Ⅱ-1-7>と<図付録Ⅱ-1-8>は海水面から深くDの距離に設置された爆薬(TNT)が爆発した時のバブル周期(T)と最大半径(Am)の大きさを現わすグラフだ。

cheonan4_12.jpg

<画像付録2-1-7>水深別爆薬の爆発による気泡の振動周期(T)

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<画像付録2-1-8>水深別爆薬の爆発による気泡の最大半径(Am )

3)水中爆発による水柱(Column)とジェット(Jet)の形成

TNT爆薬が海底に置かれていて、相対的に水深が低い水中爆発によって形成された水柱(Column)とキノコ形の水柱(Smoke plume)の最大直径、ジェットの最大高を予測する形は下記のとおりだ。<画像付録2-1-9>と<画像付録2-1-10>は蓄積された爆薬水深(Scaled charge depth)にともなうジェットの最大高と水柱(Column)の最大直径を図示したグラフだ。

cheonan4_14.jpg cheonan4_15.jpg

<画像付録2-1-7>水深別爆薬の爆発による気泡の振動周期(T)

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<画像付録2-1-8>水深別爆薬の爆発による気泡の最大半径(Am)

<画像付録2-1-9>グラフを適用してTNT 250kgが水深6mで爆発した時、最大ジェット高さを求める手順は下(1)-(4)と同じだ。

cheonan4_98.jpg

<画像付録2-1-10>の解釈も上のような手順が適用される。

4)アルミニウム含有爆薬の水中爆発性能[5]

従来式高性能爆薬にアルミニウムが含まれた非理想爆薬(Non-ideal explosives)は、アルミニウム含有量が増加するにつれ相対的にバブルエネルギーが顕著に増加する(<画像付録2-1-11>参照)。したがって、爆薬の使用目的に合うようにアルミニウム含有量を変更することによって衝撃波エネルギーとバブルエネルギーの相対的な比率を調節することが一般的だ。すなわち、衝撃波エネルギーよりバブルエネルギーが有効な水中武器の弾頭に使われる爆薬のほとんどはアルミニウム含有爆薬(Aluminized explosives)だ。

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<画像付録2-1-11>爆薬の水中爆発に対するアルミニウムの効果

アルミニウムが含まれたCHNO高性能爆薬が水中爆発すれば、ほとんど瞬間的にC、H、N、O、Alの成分に分解(Dissociation)し、数マイクロ秒内にアルミニウム酸化物(AlxOy)、H2O、H2、CO、CO2、C(Graphite)等を生成するための発熱反応(Exothermic chemical reaction)を経ることになる。

これら高温、高圧の爆発生成物(Gaseous products)は、周囲の水を放射方向に押し出しながらバブルを形成することになり、時間が過ぎるにつれバブルは膨張と収縮を繰り返すことになる。

2.剛性壁(Rigid wall)とバブルの相互作用[6]

水中爆発で発生したバブルに対する上記説明は境界条件(Boundary condition)が無視される深海水中爆発(Deep underwater explosion)に対する説明だ。万一、水中爆発原点付近に海水面(Free surface)、海底面(Seabed surface)または剛性壁などが設置されているならば、バブルの挙動(Behavior)は変わる。剛性壁の周囲に形成されたバブルが収縮する時、壁が水の流れを邪魔するので水の速度は壁と反対側で最も速く、壁に近づくにつれ遅くなる(<画像付録2-2-1>参照)。したがって、バブルが収縮しながらバブルの形は崩壊して壁側で強い引力(Attraction)を受けることになり、ウォータージェット現象が壁反対側に形成される。ウォータージェットはますます発達して壁に強いジェット衝撃(Jet impact)を加えることになる。ウォータージェット後水中に残っているバブルはドーナツ形態(Toroidal)に変形した後、次第に消滅することになる。このようなバブルの崩壊過程はバブルの大きさ、バブル周期、壁との距離(Standoff from wall)、重力(Gravity)そして壁とバブルの相対的な屈曲度(Relative curvature of plateand bubble)等によって大きい影響を受けることになる。

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<画像付録2-2-1>バブルの崩壊(Bubble collapse)

天安沈没に対する理解を助けるために、船体下で爆薬が爆発した時に発生したバブルの破壊効果を<画像付録2-2-2>で説明しようと思う。

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<画像付録2-2-2>船体下で形成されたバブルの時間経過により発生する物理的現象

船体下で高性能爆薬が爆発することと同時に衝撃波は非常に速い速度で伝播して船体に衝撃を与えることになる。このような衝撃波の初期圧力は高いが時間と距離の増加により非常にはやく消滅して、球面波で伝播するので実際に船体に加えられる衝撃は大きくない。このような伝播特性のため衝撃波が船体にあたえる損傷のほとんどは、船体内部の電気および通信施設の誤作動で、軽い破損程度と知られている。

衝撃波発生後に形成されるバブルは衝撃波に比べて相対的に圧力が小さく、そしてゆっくり形成される。バブルの膨張で船体は上方向の力により逆V字形態に変形する。最大膨張したバブルは再び収縮しながら船体を下へ引っ張ることによって船体をV字形態に変形させる。ますますバブルが収縮しながら崩壊することになってバブル下部で高速のウォータージェットが形成され始める。

ウォータージェットがますます成長しながら船体は強いウォータージェットの衝撃(Impact)を受けることになり、最終的に切断される。このようなウォータージェット衝撃は衝撃波に比べて非常に大きいので、近年の多くの国家は非接触式水中武器にアルミニウム含有爆薬(Aluminized explosive)を使用している。

3.小型水中爆発試験

水中爆発の理解を容易にして天安切断部および煙突内部に多量に吸着した白色吸着物質の成分を分析するために小型水槽(2×1.5×1.5m3)に海水(4.5トン)を充填した後、<画像付録2-3-1>と同じアルミニウム含有高性能爆薬15g、Booster 6g、RP87起爆管(Detonator)を結合して水中爆発試験を遂行した。吸着物質獲得のために水槽上段にアルミニウム板材を二重で4枚設置し、ウォータージェットによる飛散防止のためにボルトでアルミニウム板を水槽(Water tank)に固く固定させた。また、水中爆発現象によるバブルの挙動を高速撮影するために2枚の透明な光学窓(Polycarbonate)を<画像付録2-3-2>とともに設置し、高速カメラの撮影速度(Writing rate)を5,000fps(Frames per second)と設定した。

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<画像付録2-3-1>水中爆発試験に使われた機材

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<画像付録2-3-2>水中爆発用小型水槽

<画像付録2-3-3>は水中爆発で発生したバブルの時間にともなう変化過程を撮影した映像で、重要な瞬間のいくつかの映像だけを選別した。

<画像付録2-3-3>の(a)は起爆後0.2msで爆薬爆発によって発生した発光を見せていて、(b)は起爆後1ms過ぎた後に衝撃波が光学窓に衝撃を加えて視野が邪魔されているのを見せる。(c)と(d)は高温、高圧のバブル内部での熱放出を見せている。バブルはますます膨張して光学窓に圧力を加えることになって、(e)と同じように光学窓の破壊が始まる。右側光学窓の破壊現象はバブルが最大に膨張する時まで持続して、その後には(f)と同じようにバブル収縮が始まる。

バブル収縮が進行されるにつれ(g)と同じように左側窓は収縮するバブル側に強い引力を受けることになって(h)と同じように完全に破断する。このような小型水槽試験からアルミニウム板材に吸着した白色吸着物質<画像付録2-3-4>を得ることができた。これら物質を精密分析、比較することによって天安沈没に対する重要な端緒を探すことが出来た。

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<画像付録2-3-3>小型水槽試験で高速撮影された映像(5,000 frames/sec)

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<画像付録2-3-4>小型水槽水中爆発の試験から取得された白色吸着物質

4.最大のバブル効果を見せる条件

引き揚げされた天安艦首、艦尾の切断部を精密分析してどんな武器が水深何メートルでTNT換算何kgの爆薬が爆発して天安を沈没させたかを知るために水中爆発現象理論と経験式を適用した。<画像付録2-4-1>は天安がバブルジェットの圧力を受けて切断されたという仮定の下選ばれた爆発条件だ。バブルジェットの発生は爆発地点周囲に構造物が存在する時発生するので、バブルの最大半径(Am)と爆発位置から竜骨までの距離がほとんど同じ付近で強力なバブルジェットの効果を得ることができる。したがって、爆薬量(200-360kg)と水深(6-9m)範囲の点線付近で最大のウォータージェット効果を得ることになる。

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<画像付録2-4-1>竜骨と爆発地点との距離(Slant distance)変化にともなうバブルの最大半径の変化

例えば、自由海水面(Free sea surface)に適用される(5)式にTNT 250kgと水深6mを適用すれば、ジェットの最大高に対する予測値は約82mと計算される。

付録 3.爆発方向および位置判断結果

爆発量にともなう威力分析のために優先的に力の作用点と指向方向が決定されなければならない。爆発位置と方向設定のための方法で最も確実な証拠物である船体の切断面を分析した。切断面分析は切断面の破壊形態を観察、表面波形を分析して、これから切断面が疲労破壊、延性破壊、脆性破壊またはせん断破壊の内どの様な形態を取っているかを判断して、これを根拠に力の作用点と指向方向を分析することになる。

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<画像付録3-1>典型的な破壊形態

疲労破壊は長時間反復的な応力によってできる変形で発生して、亀裂開始点から貝殻模様(Beach mark)が存在する。延性破壊は応力が比較的ゆっくり作用する場合、大きい塑性変形を伴って発生して、切断面が比較的荒く、多くのディンプル(くぼみ)が存在する。脆性破壊は応力がはやく作用する場合、小さい塑性変形状態で発生して、切断面は比較的なめらかで、山形模様(Chevron mark)が存在する。せん断破壊は非常に高い応力状態がせん断(shear)方向で急激に作用する場合に発生して、山形模様、ディンプル、貝殻模様などの特徴がなく、応力方向に破壊現象を見せる。

1.現場調査および試料採取

4月30日1次現場調査を実施して艦尾下部切断面を観察し、<画像付録3-1-1>のように艦尾切断面3箇所で約15cm×15cmの大きさの試料を採取した。 5月4日には2次現場調査を実施して艦尾下部切断部の切断方向を確認して艦尾の側面切断部の切断面と艦首下部および側面の切断面を観察した。そして5月10日3次現場調査を実施して艦首下部および側面の切断方向を確認して、艦首および艦尾主甲板の切断面を観察した。

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<画像付録3-1-1>切断面の試料採取位置

2.船体切断部分析結果

1)切断面破面形状分析

採取した試料の切断面は下<画像付録3-2-1>のとおり、全てせん断破壊と脆性破壊の形状だと明らかになった。延性破壊と疲労破壊の形状は観察されなかった。2番試料はせん断破壊の形状を見せていて、3番資料は典型的な脆性破壊の形状を見せる。しかし、1番試料は剪断破壊と脆性破壊が混在していることを確認できた。

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<画像付録3-2-1>切断面の形状分析

2)破面形状にともなう切断方向推定

5月4日に切断面に対して追加で目視観察をした。その結果1番試料と2番試料の間の切断面は全て剪断破壊が発生しており、1番試料と3番試料の間は全て脆性破壊が起きたのを確認することができた(<画像付録3-2-2>参照)。

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<画像付録3-2-2>艦尾切断面の破壊形態

したがって、艦尾切断面左舷約1/3部分は瞬間的な外力によって剪断破壊されたと推定されて、艦尾切断面下部の残り部分は引張力による脆性破壊が発生し、亀裂原点の位置は1番試料部で確認された。

結果的に艦尾切断面で衝撃が加えられたと推定される位置に剪断破壊(赤色表示)が発生した(<画像付録3-2-3)。剪断破壊が終わる部分から右舷方向に脆性破壊(青色表示)が発生したことを確認することができた。また、左舷下部の「U字」形状で切断されて上に巻き上がった部分も観察した結果、切断面の3ヶ所全てで剪断破壊の形態を見せた。

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<画像付録3-2-3>艦尾切断面の破壊形態および圧力方向

艦首切断面に対しても目視観察を実施した。全般的な形状は艦尾切断面と類似するが、左舷の衝撃推定位置付近で剪断破壊と脆性破壊が一部混在した。これは内部構造物が破壊形態に複雑に作用した結果と推定される。

3)艦首と艦尾の全体切断方向観察結果

艦首と艦尾竜骨下部で脆性破壊の形状を見せ、これを除いた残り部分は全て剪断破壊破面形状が観察された。脆性破壊の原点は左舷下部(試料1の位置)付近と判断される。剪断破壊が起きた艦首と艦尾下部の左右舵で、切断面は全般的に垂直傾斜角度を見せていて方向はすべての位置で船体の内部面が高く、外部面が低い形状が観察された(<画像付録3-2-4>参照)。

剪断破壊が起きた艦首と艦尾上部の主甲板左右舵でも切断面は全般的に垂直傾斜角を見せているが、方向は下部とは反対にすべての位置で船体の内部面が低く外部面が高い形状が観察された(<画像付録3-2-4>参照)。

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<画像付録3-2-4>船体切断面形態

前で説明した傾斜を作り出すことができる状況は、切断部が相当な曲面を作るほど塑性変形が起きた後、外部から一方向の強力な力(ウォータージェットを推定)により剪断破壊が発生したと分析することができる(<画像付録3-2-5>参照)。

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<画像付録3-2-5>船体上下部の切断形態分析

3.採取試料微細組織分析結果

1)厚さ比較

採取した各資料の厚さを測定した結果、爆発原点から近いところと推定される左舷の2番試料の厚さが右舷の3番試料より約30%程度減少し、1番試料は3番試料より約10%の厚さ減少が起きていたと計測された(<画像付録3-3-1>参照)。

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<画像付録3-3-1>採取試料の厚さ測定結果

これは前節で言及した通り、左舷下部で切断が起きる前に非常に大きい曲面の塑性変形が発生したことを確認させてくれる。

2)微細組織比較

各試料の微細組織を拡大して観察した結果は<画像付録3-3-2>のとおりだ。

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<画像付録3-3-2>採取試料の微細組織

50倍拡大した結果で、すべての試料の微細組織は水平縞の圧延組織[7]を持つか、左舷の2番試料の微細組織は約30%の厚さ減少および縦方向の引き伸ばしによって初期圧延組職より相対的に縞密度が高まることを確認することができる。

200倍拡大した結果でも、左舷2番試料の微細組織は右舷3番試料の微細組織に比べて初期圧延縞[8]が互いに近づいて薄く引き伸ばされたことが確認でき、典型的なフェライト-パーライト(Pearlite+Ferrite)[9]微細組織だということがわかる。ここで黒い部分がPearlite組織だ。もし左舷で熱変形があった場合、Pearlite粗大化による圧延縞合体が観察されなければならないが(<画像付録3-3-3)参照>、こちらでこの現象は観察されなかった。したがって723度以上の熱はなかったことを確認することができる。これは非接触外部爆発による破壊を立証する根拠になることができる。

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<画像付録3-3-3>熱影響による典型的な微細組織変化例

500倍拡大した結果でも左舷2番試料位置微細組織は厚さ減少および縦方向の引き伸ばすことで初期微細組織より相対的に多くの塑性変形を受けてできた結晶粒微細化[10]が観察される。

2番と3番試料のマイクロ硬度を測定して比較した結果、左舷の2番試料ではHv=163、右舷の3番試料ではHv=146の硬度が現れた。これは左舷での大きいひずみ硬化(Strain hardening)[11]により硬度値が上昇したと判断される。

3)切断面微細組織分析

左舷2番試料の微細組織を拡大して観察した結果、垂直方向に成長したキャビティー(Cavity)が多数観察された(<画像付録3-3-4>参照)。これは試料に横方向の強い引張力が作用したことを示している。この引張力は横方向で強い衝撃が作用する場合、衝撃波と衝撃反対側の自由面での希薄波(Rarefaction wave)[13]間の相互作用からできる引張力の影響と判断される。したがって、これは左舷下部での強力な衝撃作用を立証するもう一つの根拠になる。

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<画像付録3-3-4>切断面微細組織

4.爆発位置および方向判断結果

天安の切断面分析の結果、左舷下部から大きい爆発力により、先に上方向に大きい曲面の筐体塑性変形が起き(ホギング現象)、その後ウォータージェットと推定される強力な外力によって剪断破壊が起きたと判断された。切断が始まった位置は竜骨の左舷1.9m地点だと確認された。したがって、左舷幅5mを考慮した時、爆発は竜骨左舷1.9-5m間で発生したと判断した。船底中、魚雷襲撃可能範囲は竜骨基準1.9-4m、中央線から3m地点と判断した(<画像付録3-4-1>参照)。

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<画像付録3-4-1>魚雷爆発可能位置

付録4.爆薬量および爆発水深判断結果

先で実施した切断面分析にともなう爆発位置と力の方向を根拠に天安襲撃事件と類似の爆薬量と爆発水深を判断するためにシミュレーション分析を行った。このシミュレーション分析は爆発タイプ分析分科で単純化されたモデル(局所部位、単純化された船体適用)を活用して短い時間内に可能な爆発タイプの範囲を導き出した結果を土台した。船体構造分析チームでは艦全体を対象に詳細な分析をし、ここでは単純化された分析結果を提示した。

1.数値モデル

正確な分析のためには天安全体を数値モデルとしなければならないが、可能な早い時間内に爆発タイプ範囲に対する予測をしなければならなかった。また、天安に作用したすべての荷重(衝撃波、バブル圧力、ウォータージェット、ホイッピング効果など)を考慮したシミュレーションは、船体構造分野の研究内容に含まれていたので、本シミュレーションでは天安の流失部分であるガスタービン室を中心に一部領域に対する局所破壊(Local damage)現象を分析して、破壊可能な爆発タイプ範囲(爆薬量、爆発位置および範囲)を導き出した。したがって、このシミュレーションでは精密なホイッピング効果(Whipping effect)は考慮せず、形状モデリングもガスタービン室およびディーゼルエンジン室を含んだ天安のフレーム39からフレーム115まで(45.6m)の領域に限定した(<画像付録4-1-1>参照)。

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<画像付録4-1-1>爆発タイプ分析のためのシミュレーション範囲

解析に使用したコードは米国で開発された商用コードであるLS-DYNAコード。現在国内をはじめとして米国、日本、中国およびEU国家の多くの政府傘下研究所と民間研究所で衝突、爆発など高圧流体力学的現象解析に広く使用されており、解析結果の信頼性が立証されたコードだ。

国内研究所でも多様な弾頭、弾薬設計および性能予測のためにLS-DYNAコードを使用している。

シミュレーション分析のためには数値モデルに対する形状モデリング作業が優先されなければならない。このような形状モデリング作業は多くの時間が要求される。これは作業自体が時間がたくさん必要とされる作業だけでなく、計算過程で誤差や結果の不正確性などによって数回の形状モデリング修正作業をしなければならないためだ。

<画像付録4-1-2>は天安のフレーム39からフレーム115まで(45.6m)の領域に対するモデリング形状であり、<画像付録4-1-3>は数値解析が可能なようにモデリング形状に船体形状と位置により300×300mm基準としてメッシュ(格子)を負わせた形状で、適用モデラー(Modeller)は広く利用されているI-DEASTMコードを使用した。

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<画像付録4-1-2>モデリング形状

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<画像付録4-1-3>メッシュ形状

天安に対する形状をモデリングした後、ここに水、空気、爆薬を追加してシミュレーションが可能な初期形状が完成した。 <画像付録4-1-4>の完成した解析形状は約120万個の計算要素で構成された。

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<画像付録4-1-4>初期解析形状

2.解析条件

天安襲撃事件に使われた爆発タイプを導き出すために、米国チームのシミュレーション結果と切断面分析結果、そして使われた可能性が高い武器分析から解析条件を算出した。この結果、爆薬量はTNT基準45-500kgに設定、水深は武器の感知能力と非接触爆発を考慮して6-13mに設定、爆発地点の横(左右)位置は切断面分析結果からガスタービン室中央から左舷3mに設定した。爆発地点の縦(前後)位置はガスタービンの真ん中で艦首側から2.4mフレーム71とガスタービンの真ん中であるフレーム75を選定した。フレーム71を選定した理由は実際のガスタービン室の艦首部切断面隔壁と竜骨部変形が艦尾部より大きく発生したためだ。フレーム75を選定した理由はガスタービン室の変形を最も大きく起こす位置で計算することによって、実際の現象より変形をあまり起こさない低い爆薬量の爆発タイプを排除しなければならないためだ。解析はフレーム75の位置から遂行して可能な爆発タイプを導き出した後、これをフレーム71位置で追加計算し、二つの結果を比較、分析して爆発タイプを導き出した。<表付録4-2-1>は選ばれた解析条件を現わす。

爆薬量(kg、TNT基準) フレーム位置 水深(m)
45 75 6
200 75 6、7、8
250 75 6、7、8、9、12
300 71、75 6、7、8、9、11
360 71、75 6、7、8、9、11
420 71、75 8、9、12
500 71、75 10、11、12、13

<表付録4-2-1>解析条件(左舷3m)

シミュレーション結果の検証のため、最初にモデル別シミュレーションを遂行する前に水中爆発時の爆発原点からの距離別衝撃波圧力をシミュレーションして、すでに知らされた経験式と比較した(<表付録4-2-2>参照)。表で見るように計算値と経験式値が誤差5%以下でよく一致しているということがわかる。

爆薬量(kg、TNT) 計測半径(m) 経験値(MPa) 計算値(MPa) 誤差(%)
250 3 130.14 135.39 4.0
6 50.25 52.97 5.4
9 31.66 33.20 4.9

<表付録4-2-2>衝撃波圧力比較

シミュレーション結果に現れるバブル挙動現象を<画像付録2-1-1>に現れた実際の現象と比較して結果の信頼性を確保した。<画像付録4-2-1>は二つの現象を比較したものだ。

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<画像付録4-2-1>バブル挙動現象比較

3.比較要素選定

シミュレーション結果で三つ基準を選定して、これを全て満足する爆発タイプを選定した。

ガスタービン室船体下部の破壊範囲が船底左右に全てに現れて、船底左右の破壊範囲両側が互いに連結される結果を基準として選定した。これは実物でガスタービン室が流失したためだ。

本シミュレーションモデルは船体全てがモデリングされたのではなく、内部重量物もモデリングされなかったために実物より変形がより大きく計算されるだろう。したがって、船体の側面方向に構造物がたくさん配置されている艦尾部での竜骨の変形を基準値で選定した。実際に艦尾切断面隔壁で艦尾側方向で位置した竜骨変形は艦首部に比べて大きくなかった。竜骨変形基準値では竜骨変形長(変形分:3,580mm)を選定した。竜骨変形の長さは<画像付録4-3-1>の(3)のように選定した。各爆発タイプに対するシミュレーション結果で実物大比1-1.2倍を選定条件に決めた。これは先に述べた通りモデリング単純化により実物より変形がより大きく計算されるのを考慮したのだ。

最後に艦尾切断面隔壁の変形と破断形状を基準として選定した。<画像付録4-3-1>は三つ基準要素を現わす。

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<画像付録4-3-1>比較要素

4.解釈結果

シミュレーション結果と実物破損を比較、分析した結果、フレーム75、左舷3mで爆発が発生する場合、TNT爆薬量230kg以下の爆発タイプは可能性が低いと判断された。250kg TNT爆薬量に対する解析結果、水深6mである場合を制限的に可能な爆発タイプと選定した。300kg TNT爆薬量に対する解析結果、水深7mである場合を可能な爆発タイプに選定した。フレーム71とフレーム75位置に対して左舷3m、360kg TNT爆薬量に対する解釈結果フレーム75で水深7-9mである場合、可能爆発類型で選定した。

したがって、切断面分析で決定された爆発位置範囲である左舷3mを適用して、多様な爆薬量と水深(6-13m)を適用したシミュレーション解析と天安破壊現象を比較分析した結果、実際の現象と類似の破断現象を起こす爆発タイプは<表付録4-4-1>のように導き出された。

爆薬量(kg、TNT) 水深(m)
250 6
300 7
360 7
8
9

<表付録4-4-1>シミュレーション結果

付録5.吸着物質分析結果

今までは爆発タイプ分析のために可能な爆薬量と爆発位置を判断した。ここではこのような爆発に使われた武器を確認するために天安船体に多量吸着した物質の成分を分析した。

引き揚げされた天安艦尾が海軍第2艦隊司令部(平沢)に到着後4月18日最初に目視観察をし、艦尾の切断部分を観察して左舷上部甲板位置のアルミニウム板材に白い粉末塊りがいっぱいついているのを発見した。また、破断面の上部甲板には破断部を中心に多量の白色粉末が吸着していた。艦尾外部壁面にも吸着物が観察された。

このような吸着物はアルミニウム板材だけでなく非アルミニウム成分である電源ケーブルでも発見された。吸着物質に対する分析は5回実施されたが、1次は目視観察時発見された白色粉末の特性を概略的に把握するためのものであり、2次および3次は艦尾および艦首吸着物に対する精密分析、4次は引き揚げされた魚雷推進動力装置(決定的証拠物)吸着物の成分が艦尾および艦首吸着物と同一なのかを確認するための精密分析、そして最終5次は天安で発見された吸着物がアルミニウム添加水中爆薬の爆発材であることを確認するために小規模水中爆薬の爆発試験後に得た吸着物を分析する方式で進めた。

1.1次分析

成分分析にはSEM(Scanning electron microscope:走査電子顕微鏡、Philips社のモデルXL30)、EDS(Energy dispersive spectroscope:エネルギー分散型分光器、Philips社のモデルEDAX)およびXRD(X-ray diffraction:X線回折器、Brukers社のモデルD8 Discover)を使った。

電子顕微鏡によるSEM分析の結果、観察された吸着物質の形状は<画像付録5-1-1>と同じで、微細粒子があたかも溶融してかたまっている姿だった。

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<画像付録5-1-1>電子顕微鏡写真

EDS分析時電子ビーム(Beam)を受ければ原子の電子が飛び、電子の軌道位置変換が起き、この時、エネルギーが放出される。放出エネルギーは各原子ごとに違うように現れるので、このような原理を利用して物質を構成する原子を判別することができる。<画像付録5-1-2>で提示した通り、エネルギー分散型分光器分析により吸着物質は酸素、ナトリウム、アルミニウム、硫黄、塩素などの元素成分で構成されていることが分かった(試料に金をメッキして分析するので金成分も共に検出された)。これら元素成分を考慮すれば、吸着物質を構成する物質はアルミニウム酸化物(AlxOy)と塩(NaCl)そして硫黄または硫黄化合物などだと分析される。

XRD回折分析時、結晶にX線を照射すれば、結晶中それぞれの原子によって散乱されたX線が互いに干渉してX線が単色の場合、特定方向に強い回折X線ができる。X線回折ピーク[14]は結晶格子の距離、すなわち単位cellの大きさに依存する。したがって、各結晶ごとに各自固有のX線回折ピークを持って非決定はX線回折ピークを持たない。

吸着物質のX線回折ピークを現わした<画像付録5-1-3>を見れば、X線回折ピークが観察されないので吸着物質には結晶質が存在しないということがわかる。

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<画像付録5-1-2>エネルギー分光機分析

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<画像付録5-1-3>X線回折分析

電子顕微鏡、エネルギー分光、X線回折などの分析結果をまとめれば、吸着物質は微細粒子が凝集している状態であり、主成分は非結晶性のアルミニウム酸化物で、その他少量の硫黄または硫化物と塩で構成されている。

一般的に純粋なアルミニウムは非常に短い時間内に酸化されて、表面が非常に薄い厚さ(数nm)の非結晶性酸化アルミニウムの膜で覆われることになる。この非結晶性酸化アルミニウム膜は非常にち密で酸素が透過できないのでさらに多くの酸化反応が進行され難い。しかし、長時間水分、塩基、酸などに露出すれば、酸化反応が進行されて白化現象を見せることになるが、この副食物の主成分は水酸化アルミニウム(Al(OH)3、Bayerite)をはじめとしてベーム石(AlO(OH)、Boehmite)、酸化アルミニウム(Al2O3)等で構成されて、これらは非結晶性よりは結晶性を現わす。しかし、天安艦尾で発見された白色の吸着物質は非結晶アルミニウム酸化物として自然状態で腐食されて生成された白色のアルミニウム酸化物ではないと分析された。

2.2次分析(艦尾吸着物)

1次分析結果を土台に吸着物質の詳細な成分を分析するため4月22日に艦尾5箇所で吸着物質を採取した。採取部は吸着物質がたくさん発見された中央破断部を中心に、吸着物質がついている表面の材質(アルミニウムと非アルミニウム)を分けて選択し、中央破断部から離れている76mm艦砲の砲身も含んだ。

試料番号 採取場所 表面材質
1 士兵食堂台所アルミニウムアングル アルミニウム合金
2 士兵食堂台所浄水器壁面 アルミニウム合金
3 士兵食堂台所配電盤ケーブル 非アルミニウム合金
4 士兵食堂台所上部ケーブル 非アルミニウム合金
5 76mm砲砲身

<表付録5-2-1>吸着物質の採取場所

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<画像付録5-2-1>吸着物質採取場所

成分分析には予備実験に使われた分析装備の他にCHNS-EA(CHNS[15]-Elementalanalyzer元素分析器、Thermo社のモデルEA1112)とTGA(Thermal gravity analyzer(熱分解特性分析器):Mettler社のモデルTA30)を追加で使用した。

SEM分析結果、採取された吸着物質の形状は1次分析で観察された通り、微細粒子がかたまっている姿(<画像付録5-2-2>参照)であり、EDS精密分析時低い原子量の元素を検出するため検出領域を広げてみた結果、炭素成分まで検出された。

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<画像付録5-2-2>吸着物質(艦尾)の電子顕微鏡写真

すべての試料は炭素、酸素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、硫黄、塩素などの元素成分で構成されていることが分かった(<画像付録5-2-3>参照)。結果は1次分析結果と同一だった。これら元素成分を考慮すれば、吸着物質はアルミニウム酸化物(AlXOY)と塩(NaCl、MgCl2等)そして硫黄または、硫化物等で構成されている。

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<画像付録5-2-3>吸着物質(艦尾)のエネルギー分光分析

XRD分析結果ではケイ素(SiO2)、黒鉛、塩(NaCl)等の検出された。ケイ素と黒鉛はピーク位置が同一に重なって区分しにくいが44.5度回折角度では黒鉛ピークが微弱に現れるので、これを検出して黒鉛の存在を確認することができた(<画像付録5-2-4>4番参照)。

EDS分析結果によれば、吸着物質の主成分はアルミニウム酸化物だった。XRD分析の結果はアルミニウム酸化物は非結晶性物質だと確認された。

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<画像付録5-2-4>吸着物質(艦尾)のX線回折分析

CHNS元素分析(吸着物質内の可燃性元素を分析)の結果、窒素は検出されなかった。炭素、水素、硫黄などがそれぞれ0.64-3.00wt.%[16]、3.42-5.25wt.%、4.40-8.63wt.%の範囲内で検出された(<表付録5-2-2>参照)。EDS分析の結果と比較すると吸着物質は非可燃性元素であるアルミニウムと可燃性元素である炭素、水素、硫黄で構成された物質であり、そのうちの水素は水分由来と見られる[16]

試料名 窒素(%) 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%)
吸着物1 0.01以下 0.64 4.45 5.21
吸着物2 0.01以下 1.15 3.42 4.40
吸着物3 0.01以下 3.00 4.56 4.87
吸着物4 0.01以下 1.69 5.25 8.63

<表付録5-2-2> CHNS元素分析結果

TGA熱分解特性分析時、吸着物質の分析条件は温度範囲を30-900度、温度上昇速度を10度/minだった。試料5番の場合、試料量が不足して熱分解実験を実施することができなかった。

熱分解特性分析結果、初期100度を中心に30-200度付近で20%程度の水分が蒸発、200-600度の温度間で20%程度の水分が徐々に蒸発されて、その後炭素および硫黄成分が酸化されて消えると確認された(<画像付録5-2-5>参照)。熱分解特性に対する詳しい分析結果は後述した。

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<画像付録5-2-5>熱分解特性分析結果(艦尾)

艦尾で発見された白色粉末の吸着物質を分析した結果、1次分析結果と同一に吸着物質は微細粒子が凝集している状態であり、主成分物質は非結晶性のアルミニウム酸化物で、その他少量の硫黄または硫化物、塩、石英砂で構成されている混合物質と分析された。これら各成分の混合比は<表付録5-2-3>に記載した。ここで水分含有量はCHNS元素分析結果から得た水素含有量を利用して算出した。

構成成分 含有量(重量比%) 備考
AlXOY 36.4-55.1 少量の石英砂含む
30.8-47.3 -
硫黄 4.4-8.6 -
炭素 0.6-3.0 一部黒鉛
3.7-10.3 -

<表付録5-2-3>吸着物質の構成成分および含有量比

3.3次分析(艦首および煙突の吸着物)

4月30日の艦首目視検査の結果、同じタイプの吸着物質を発見した。特に煙突内壁および外壁にも莫大な量の白色粉末が吸着していた。この吸着物質を艦尾の吸着物質と成分を比較するために<表付録5-3-1>のように艦首2箇所(甲板左舷出入口内側および76mm砲砲身)と煙突1箇所で試料を採取した。

試料番号 採取場所 表面材質
1 76mm砲砲身
2 左舷出入口 アルミニウム合金
3 煙突 アルミニウム合金

<表付録5-3-1>吸着物質(艦首および煙突)の採取場所

成分分析には1次分析に使われた同じ分析装備を使用した。SEM分析結果、採取された吸着物質の形状は先立って分析された艦尾の吸着物質と似ていた(<図付録5-3-1>参照)。

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<画像付録5-3-1>吸着物質(艦首および煙突)の電子顕微鏡写真

EDS分析結果、艦首および煙突の吸着物質は炭素、酸素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、硫黄、塩素などの元素成分で構成され、艦尾吸着物質の分析結果と同一だった(<画像付録5-3-2>参照)。

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<画像付録5-3-2>吸着物質(艦首および煙突)のエネルギー分光分析

XRD回折分析結果吸着物質ではケイ素(SiO2)、黒鉛、塩(NaCl)等の結晶が検出され、吸着物質の主成分はアルミニウム酸化物だと確認された。このような結果は艦尾吸着物質の実験結果と同一だった(<画像付録5-3-3>参照)。

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<画像付録5-3-3>吸着物質(艦首および煙突)のX線回折分析

CHNS元素分析の結果、炭素、水素、硫黄などがそれぞれ0.76-1.12wt.%、3.62-3.93wt.%、2.43-3.58wt.%の範囲内で検出された(<表付録5-3-2>参照)。このような結果は艦尾吸着物質の分析結果と似ていた。

試料名 窒素(%) 炭素(%) 水素(%) 硫黄(%)
吸着物1 0.01以下 0.76 3.93 3.50
吸着物2 0.01以下 1.12 3.62 2.43
吸着物3 0.01以下 0.84 3.63 3.58

<表付録5-3-2>CHNS元素分析結果

TGA熱分解特性分析時、吸着物質の分析条件は艦尾吸着物質分析条件のように温度範囲を30-900度、温度上昇速度を10度/minに調節した。艦首および煙突の吸着物質の熱分解特性分析結果は艦尾吸着物質の分析結果と似ていた(<画像付録5-3-4>参照)。

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<画像付録5-3-4>熱分解特性分析結果(艦首および煙突)

艦首および煙突で採取した吸着物質分析の結果をまとめれば、艦尾の吸着物質と同じ物質として主成分は非結晶性のアルミニウム酸化物で、その他少量の硫黄または硫化物、塩、石英砂で構成されている混合物質と確認された。これら各成分の混合比は<表付録5-3-3>のとおりだ。

構成成分 含有量(重量比%) 備考
AlXOY 53.5-54.6 少量の石英砂含む
32.6-35.4 -
硫黄 2.4-3.6 -
炭素 0.8-1.1 一部黒鉛
6.9-9.3 -

<表付録5-3-3>吸着物質(艦首および煙突)の構成成分および含有量比

4.4次分析(魚雷推進動力装置吸着物)

魚雷推進動力装置が回収された5月15日の目視調査結果、船体で発見された白色粉末と同じタイプの吸着物質がプロペラの表面およびモーターの内部でも発見された。そのため、この吸着物質が船体の吸着物質と同一なのかを比較分析するために<表付録5-4-1>のようにそれぞれの部分で試料を採取した。

試料番号 採取場所 表面材質
1 引き揚げられた魚雷プロペラ アルミニウム合金
2 引き揚げられた魚雷モーター

<表付録5-4-1>吸着物質の採取場所

成分分析には1、2次分析に使われた分析装備を使用した。。ただ、元素分析器はCE Instruments社のモデルEA1110を使用した。SEM分析結果、 2箇所で採取された吸着物質の形状は先に分析された船体の吸着物質と類似の形状だということがわかる。

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<画像付録5-4-1>吸着物質(プロペラおよびモーター)の電子顕微鏡写真

EDS分析結果は、炭素、酸素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、硫黄、塩素などの元素成分で構成されていることが分かった(<画像付録5-4-2>参照)。この結果は船体吸着物質の分析結果と同一だった。

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<画像付録5-4-2>吸着物質(プロペラおよびモーター)のエネルギー分光分析

X線回折分析結果、吸着物質ではケイ素(SiO2)、塩(NaCl)等の結晶が検出された。結晶物質のピーク位置が似ていて酸化アルミニウムの結晶ピークが非常に微弱に観察された(<画像付録5-4-3>参照)。

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<画像付録5-4-3>吸着物質(艦首)のX線回折分析

EDSとX線回折分析結果から、魚雷部品吸着物質の主成分はアルミニウム酸化物でほとんど非結晶性物質だと確認された。このような結果は船体吸着物質の分析結果と同一だった。

CHNS元素分析により吸着物質内の可燃性元素を分析した結果、窒素はほとんど検出されず、炭素0.40-0.86wt.%、水素3.29-3.34wt.%、硫黄5.60-6.61wt.%が検出された。これは船体吸着物質の分析結果と似ていて、TGA熱分解特性分析時、吸着物質の分析条件は船体の吸着物質分析条件と同一に適用した。分析結果を比較すると魚雷の吸着物質は船体吸着物質の熱分解特性と似ている(<画像付録5-4-4>参照)。

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<画像付録5-4-4>熱分解特性分析結果(プロペラおよびモーター)

結果を整理すれば、魚雷のプロペラとモーターの吸着物質は同じ物質で主成分は非結晶性アルミニウム酸化物、その他少量の硫黄または硫化物、塩、石英砂で構成されている混合物質と分析された。これら各成分の混合比は<表付録5-4-2>のとおりだ。

構成成分 含有量(重量比%) 備考
AlXOY 53.9-54.3 少量の石英砂含む
29.6-30.1 -
硫黄 5.6-6.6 -
炭素 0.4-0.9 -
8.6-10.1 -

<表付録5-4-2>吸着物質(プロペラおよびモーター)の構成成分および含有量比

結論で言及するが、この吸着物質は色々な分析結果を土台にしてアルミニウムが添加された水中爆薬の爆発材と分析された。

5.5次分析(水槽爆発実験吸着物)

船体および魚雷の吸着物質がアルミニウム添加水中爆薬の爆発材であることを確認するために、水中爆発実験により取得した爆発材成分を吸着物質の成分と比較分析した。

小規模水中爆発実験に使われた水槽の諸元は長さ2m、幅1.5m、高さ1.5m、前面にポリカーボネート透明窓を設置した。水槽には4.5トンの海水を満たし、水槽上段には爆発材が吸着できるようにアルミニウム板材を置き、HBX-3(TNT 29%、RDX 36%、Al 35%)爆薬15gを水槽中央に位置させて起爆させた。爆発過程を高速カメラで撮影して衝撃波の伝播過程と気泡の成長-収縮-上昇過程を調べることができた。爆発実験後上部アルミニウム板に微量(数mg)の爆発材が吸着したため、これを分析した。吸着した爆発材が微量であったため多くの試料量が必要とされるX線回折分析時にはアルミニウム板材に吸着している状態で分析した。EDS分析時には少量の吸着物質は別に採取して分析した。

爆発材は微細粒子が凝集している形状であり、大きさはマイクロメーター以下と分析された(<画像付録5-5-1>参照)。EDS分析により小規模水中爆発実験で得た爆発材の元素成分を分析した結果、爆発材は炭素、酸素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、硫黄、塩素などの元素成分で構成されていることが分かった。結果は<画像付録5-5-2>のように船体および魚雷の吸着物質成分と同一だった。

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<画像付録5-5-1>爆発材の電子顕微鏡写真

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<画像付録5-5-2>爆発材のEDS分析

XRD分析時少量の爆発材がアルミニウム板材に吸着した状態で分析されたため、アルミニウム結晶ピークだけ大きく現れて、他の成分は微弱に現れた。<画像付録5-5-3>にはアルミニウム板材に吸着した爆発材のXRD分析データとアルミニウム板材だけのXRD分析データを比較した。XRD分析データの結晶ピークを拡大してもアルミニウム酸化物の結晶はほとんど見られなかった。これは多くのアルミニウム酸化物がX線回折分析には現れない非結晶性であるためだ。その他弱いピークはアルミニウム酸化物でないその他物質で分析された。

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<画像付録5-5-3>爆発材のXRD分析

このような分析により、爆発材の成分が天安船体と魚雷の吸着物質の成分と同じ非結晶性アルミニウム酸化物だということがわかる。ただ、爆発材の構成成分比は水中爆薬の成分比、爆薬量、爆発条件などにより多少異なることもある。

6.吸着物質の熱分解特性および微細構造

吸着物質の熱分解特性に対する詳しい分析のために、吸着物質をそれぞれの温度別(30-200度、30-400度、30-600度、30-900度)に窒素大気下で熱分解させた。試験後に得た試料に対してEDS分析を行った。EDS分析は分析領域を0.25×0.20mmまたは0.50× 0.40mm程度の大きさにした(<画像付録5-6-1>参照)。また、粒子自体に対するEDS分析も実施した(<画像付録5-6-2>参照)。

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<画像付録5-6-1>温度別分析領域内の吸着物質の成分含有量の変化

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<画像付録5-6-2>温度別の吸着物質個体の成分含有量の変化

領域分析と粒子分析のEDSデータに現れた炭素含有量の差は、試料を付着させるために使われた接着テープに起因したものであり、その他にも酸素子比率にも微弱に影響を与えると見られる。

二つの図で確認できるように、30-600度では主に酸素が減少して、その後温度が上昇すれば炭素および硫黄が消える現象が現れる。

<表付録5-6-1>には、温度別領域分析と粒子分析のEDSデータ中で酸素とアルミニウムの原子比率(%)を収録した。原子比率は石英砂(SiO2)の酸素を考慮して計算された。原子量と30-200度熱処理試料の酸素/アルミニウム成分比はほとんど変化がないと明らかになった。これは原子量のEDS分析時、試料処理過程および試験中真空状態で水分が蒸発されたことを意味する。TGA分析上では30-200度の温度で吸着物質の全体水分50%程度が蒸発されたと分かる。その後、熱処理温度が高いほど酸素量が減少する。これは微細気孔(<画像付録5-6-3>参照)に閉じ込められている水分や吸着物質と強力に結びついている水分が蒸発するためだと判断される。

試料名 領域分析 粒子分析
酸素(原子比率) アルミニウム(原子比率) 酸素(原子比率) アルミニウム(原子比率)
元試料 72.90 27.10 68.24 31.76
30-200度 71.29 28.71 69.31 30.69
30-400度 65.93 34.07 64.42 35.58
30-600度 61.05 39.95 61.39 39.61
30-900度 60.57 39.43 56.80 43.20

<表付録5-6-1>温度別吸着物質の酸素/アルミニウム含有量変化

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<画像付録5-6-3>吸着物質の微細構造

一般的に、不均一粒度を持つ微細粒子の混合物に対するEDS分析では定量的な元素成分比分析が不可能だとされている。したがって、<表付録5-6-1>は温度変化にともなう酸素とアルミニウムの成分比変化に対する定性的分析結果を現わしたのだ。

7.非結晶性アルミニウム酸化物

先述した通り、一般的に純粋なアルミニウムは生産と同時に非常に短い時間内で酸化して、表面は非常に薄い厚さ(数nm)の非結晶性酸化アルミニウムの膜で覆われることになる。この非結晶性酸化アルミニウムの膜は非常にち密で酸素が透過できないため、さらに多くの酸化反応が進行され難い。しかし、長時間水分、塩基、酸などに露出すれば酸化反応が進行して白化現象を見せることになる。この腐食物の主成分は水酸化アルミニウム(Al(OH)3、Bayerite)をはじめとして、ベーム石(AlO(OH)、Boehmite)、酸化アルミニウム(Al2O3)等で構成されて、これらは非結晶性よりは結晶性を現わす。実際に海水または海辺の塩分などによってアルミニウムが腐食される場合にも、上記の結晶性アルミニウム酸化物が生成されることが多くの文献で報告されている。

非結晶質のアルミニウム酸化物(AlXOY)が生成されるためには、まず生成されたアルミニウム酸化物が液体であり、これを急に冷却するしなければならない。冷却では非結晶性が生成されない。<画像付録5-7-1>はアルミニウムと酸素の成分比変化にともなうアルミニウム酸化物の相平衡を現わしたもので、2,325.1度以上でAl2O3が液体で存在して、その以下の温度では固体で存在するということがわかる。したがって、Al2O3を非結晶性で作るためには最低でも2,325.1度以上の温度で液体化して、これを急冷却しなければならない。

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<画像付録5-7-1>アルミニウム-酸素の相平衡図[17]

また他の条件はアルミニウム酸化物のアルミニウムと酸素が定量的に化学結合をできなく、結晶格子をそろえられない場合だ。

したがって、非晶質アルミニウム酸化物(AlXOY)製造は爆発またはプラズマのような急激な酸化反応および高温-急冷却を経る条件で可能だ。

一般的に水中爆薬にはアルミニウム粉末が添加される。その理由はアルミニウムの高い燃焼熱を利用して水中爆薬のバブルエネルギーを増大させるためだ。爆発反応は3,000度以上、20万気圧以上の条件で、数十万分の1秒後に発生する。アルミニウム粉末は爆発ガス成分の酸素と反応して、高い熱を発生させアルミニウム酸化物に変わることになる。このアルミニウム酸化物は水中で数十ミリ秒内にバブルの表面で秒当たり数万-数十万度の速度で冷却される。

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アルミニウム添加爆薬の爆発材で生成されるアルミニウム酸化物は非結晶性であり、これは説明した通りとても早い酸化過程(爆発過程)で酸素とアルミニウム原子価定量的に化学的な結合をできないか、液体状態で固体での急激な冷却速度によって結晶格子が作られないためだと判断される。

吸着物質のアルミニウム酸化物が非結晶性なのかを確認するためにTOPASプログラム[18]を使用してXRDデータを精密分析する方法と吸着物質を熱処理する方法を行った。

先に天安船体および魚雷の推進動力装置の吸着物質と水中爆発実験爆発材のXRDデータをOPASプログラムで分析した結果、天安船体および魚雷の推進動力装置の吸着物質はそれぞれ90%以上の非結晶性アルミニウム酸化物を含有していると確認された。また、水中爆発実験爆発材の場合にも共に測定されたアルミニウム板材のアルミニウム結晶性を除けば、大部分が非結晶性アルミニウム酸化物を含有していると分析された(<画像付録5-7-2>参照)。

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<画像付録5-7-2>非結晶性アルミニウム酸化物の含有量分析

一般的に非結晶性物質は溶融点以下の高温で熱処理する場合、結晶性に変わることになる。したがって、結晶質がない物質を熱処理して結晶性アルミニウム酸化物が生成されるならば、物質自体が非結晶性のアルミニウム酸化物という証拠となる。これを立証するために煙突で採取した吸着物質を1,200度で30分間加熱して、自然状態で徐々に冷却させた後、熱処理前後の結晶成分を比較した。

<画像付録5-7-3>のX線回折分析の結果は、熱処理前は吸着物質中の主な結晶成分が石英砂で(微量の黒鉛含む)、熱処理後には多量の結晶性酸化アルミニウム(Al2O3)が生成されて黒鉛が消滅する。これで吸着物質は非常に早い酸化反応または急激な冷却などの理由で生成された物質であると立証された。

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<画像付録5-7-3>熱処理前後の吸着物質XRD分析

8.分析結果

船体および魚雷部品に吸着している白色粉末はアルミニウム素材の腐食物でなく、アルミニウムが添加された水中爆薬の爆発材だと分析された。

吸着物質が天安船体および魚雷部品のアルミニウム素材が腐食されて生成された物質でない理由は次のとおりだ。

  • 非アルミニウム素材にも多量吸着している。
  • 吸着物質が表面に緻密に密着しておらず簡単に分離する。
  • 吸着物質自体が固く結びついていないでもろく砕けやすい。
  • 非結晶性のアルミニウム酸化物が主成分物質である。
  • アルミニウムが腐食すればほとんどの結晶性アルミニウム酸化物が生成される。

また、吸着物質が爆発材という根拠は次のとおりだ。

  • 外部から流入した吸着物質の主成分が非結晶性アルミニウム酸化物である。
  • 水中で非結晶性アルミニウム酸化物が生成されるいかなる要因もない。
  • 吸着物質中に黒鉛が一部検出される。
  • アルミニウム添加爆薬の爆発時非結晶性酸化アルミニウムが生成される[19]
  • 一般爆薬の爆発時非結晶性(amorphous)炭素、黒鉛、ダイヤモンドなどが生成される。

付録6.復原性分析結果

1.目的

復原性分析は天安艦艇復原性設計の健全性の有無を評価して、切断された艦首、艦尾に対する沈没経緯を技術的に明らかにするために遂行した。

復原性設計の健全性評価は正常運行状態と損傷後2、3、4個の連続区画に浸水が発生する状態で遂行した。この時の損傷は船体縦強度は維持される状態で、損傷した区域に単に浸水が発生する損傷を意味する。艦艇だけでなく、一般商船の場合にも損傷後の復原性を評価する時は浸水状態だけを考慮して艦艇の切断状態を考慮しはしない。

一方、天安はガスタービン室が切断、分離して艦尾は短い時間に沈没した。艦首は右舷側に90度転覆した後沈没した。このような沈没状況が発生する経緯を技術的で明らかにするために、切断後の艦首と艦尾各部分に対する復原性を評価した。

2.艦艇の復原性概要

艦艇の復原性評価に影響を及ぼす主な要因は重量の中心(G)、浮力の中心(B)、メタセンタ(M)がある(<画像付録6-2-1>参照)。GとBが垂直線上に置かれる時、艦艇は動揺せず平衡を成し遂げることになる。艦艇は一般的に重量と幾何学的形状が左右対称を成すので、GとBは竜骨(Keel)を通過する垂直線上に置かれることになる。

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<画像付録6-2-1>艦艇復原性要因

(<画像付録6-2-2>参照)艦艇が横に傾斜すれば浮力の中心がB1に移動することになって、傾斜前の垂直線(K-B-Gの延長線)と傾斜後の浮力の中心B1を通過する垂直線は一点と会ってこれをメタセンター(Meta center。<図付録Ⅵ-2-1>と<図付録Ⅵ-2-2>の点M)とする。MがGより高いところにあれば、傾斜状態で重力と浮力が発生させるモーメントは傾斜方向と反対方向として作用することになって艦艇は安定化される(<画像付録6-2-2>参照)。

これを正(+)の復原性を持つという(GM> 0)。一方、<画像付録6-2-3>のようにMがGより低いところにあれば、傾斜状態で重力と浮力が発生させるモーメントは傾斜方向と同じ方向として作用することになって艦艇は転覆することになる。これを不安定といって負(-)の復原性を持つという(GM<0)。したがってGとMの垂直線上位置と距離は艦艇の静的復原性を現わす代表的要因となる。艦艇を正しく立て直そうとするモーメントの大きさは<画像付録6-2-2>のGZの長さと表現されて、これを復原てこ(Righting arm)として、含意傾斜角度により曲線で現わすことができる。

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<画像付録6-2-2>正(+)の復原性を持つ状態

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<画像付録6-2-3>負(-)の復原性を持つ状態

一方、艦艇は風と波の影響で横傾斜になる。風と波による横傾斜モーメント(横傾斜モーメントを船の排水量で分けて横傾斜てこ(Heeling arm)で表現)を傾斜角に対して計算して、これを先述した復原てこ曲線に重なって描けば<画像付録6-2-4>のような曲線が得られる。<画像付録6-2-4>の面積A1は復元エネルギーを現わして、A2は転覆エネルギーを現わす。A1/A2が1より大きければ動的復原性が安定的だということになる。

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<画像付録6-2-4>艦艇の動的復原力を現わす復元てこ比横傾斜てこ曲線

3.天安の損傷前復原性評価

1)静的復原性

天安の静的復原性を現わす復原てこ曲線は<画像付録6-3-1>のように計算された。天安の損傷前静的復原性を英国海軍基準と一般商船の基準により比較すると<表付録6-3-1>のように要約することができる(参考だが米国海軍には静的復原性に対する基準がない)。この結果から天安の損傷前静的復原性は一般商船に比べて非常に厳格に適用され、英国海軍基準に比較しても約2倍以上の復原力を保有していると評価することができる。損傷前の天安は横傾斜角45度で最大復原力を保有して、80度までの横傾斜でも安定性を維持することができる。

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<画像付録6-3-1>天安の損傷前復元てこ曲線

項目 米国海軍 英国海軍 一般商船 天安
復原てこ曲線下部面積 0度-30度 なし ≧0.080m.rad ≧0.055m.rad 0.18
0度-40度 なし ≧0.133m.rad ≧0.090m.rad 0.30
30度-40度 なし ≧0.048m.rad ≧0.030m.rad 0.12
最大復原てこ発生角度 なし 30度以上 25度以上 45度
GM(横メタセンター高) なし 0.3m 0.15m 約1.0m

<表付録6-3-1>天安の損傷前静的復原性評価結果

2)動的復原性

天安の動的復原性を現わす復原てこ比横傾斜てこ曲線は<画像付録6-3-2>とともに計算された。

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<画像付録6-3-2>天安の復元てこ比横傾斜アーム曲線

天安の損傷前動的復原性を米国、英国の海軍と一般商船の基準と比較すると<表付録6-3-2>のように要約できる。すなわち、天安の損傷前動的復原性は一般商船に比べて非常に厳格に適用され、米国と英国海軍基準に比較しても十分な復原力を保有したと評価することができる。

項目 米国海軍設計基準 英国海軍設計基準 一般商船設計基準 天和分析結果
風速(Knots) 90 Knots 90 Knots 50 Knots 90 Knots
転覆力比復元力比率(A1/A2) 1.4以上 1.4以上 1.0以上 3.1

<表付録6-3-2>天安の損傷前動的復原性評価結果

4.天安の損傷復原性評価

1)損傷復原性基準

<表付録6-4-1>に天安に適用された損傷復原性(Damage stability)基準を商船と共に現わした。天安は2区画浸水時30ノットの横風(Beam wind)を受けても生存するように設計された。本評価で2区画浸水の基準は十分に満足することが明らかになったが、復原性能力の限界を導き出すために基準を超過する3区画および4区画浸水の場合も分析した。

艦種別 形式 動的復元性 損傷区画数
旅客船 - 風速25 Knots 2区画
液体化学品運搬船 - - 2区画
ガス運搬船 LNG - 2区画
LPG - 1区画
タンカー 全長150m以上 - 2区画
全長150m未満 - 1区画
天安適用基準 - 風速30 Knots 2区画

<表付録6-4-1>艦種別損傷復原性基準

天安の浸水時の損傷復原性評価のために色々な損傷を考慮し、2区画損傷に対しは艦復原性で最も危険な状態であるディーゼルエンジン室およびガスタービン室2区画が浸水する場合(Case 1)とディーゼルエンジン室およびこれに対し隣接した後方1区画が同時に浸水する場合(Case 2)を考慮した。3区画損傷の場合、ディーゼルエンジン室およびこれに対し隣接した後方2区画が同時浸水する場合(Case 3)、ディーゼルエンジン室とガスタービン室およびガスタービン室前方1区画が同時浸水する場合(Case 4)を考慮した。極限の場合として4区画浸水の場合には、ディーゼルエンジン室含む後方4区画が浸水する場合を考慮し、この中操舵室は浸水しない場合(Case 5)と操舵室まで浸水する場合(Case 6)で分析した。

2)2区画浸水時損傷復原性評価

(1)Case 1:2区画損傷(ディーゼルエンジン室、ガスタービン室浸水)

ディーゼルエンジン室とガスタービン室に浸水が発生した場合、浮揚状態計算結果は<画像付録6-4-1>と同じで浮揚可能だ。この場合の復原力曲線は<画像付録6-4-2>のようで、この結果は<表付録6-4-2>のように要約できる。損傷後の初期傾斜角、転覆力対比復原力比率(A1/A2)、復原力(A1)、最大残留復原てこ(RAmax-HA)、限界線(Margin line)基準を全て満足するため、ディーゼルエンジン室とガスタービン室浸水時の復原性は基準を十分に満足している。

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<画像付録6-4-1>2区画浸水時の浮揚状態計算結果(Case 1)

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<画像付録6-4-2>天安損傷時の動的復原力曲線

項目 設計基準 天安 結果
損傷後の初期傾斜角 15度以下 0度 満足
転覆力対比復元力比率(A1/A2) 1.4以上 2.887 満足
復元力(A1) 0.024m.rad以上 0.205m.rad 満足
最大残留復原てこ(RAmax-HA) 0.075m以上 0.192m 満足
限界線(Margin line)[20] 喫水線上方に位置すること 1.545m 満足

<表付録6-4-2>Case 1に対する復原性評価結果

(2)Case 2:2区画損傷(ディーゼルエンジン室および隣接した後方1区画浸水)

ディーゼルエンジン室および隣接した後方1区画に浸水が発生した場合、浮揚状態計算結果は<画像付録6-4-3>と同じで浮揚可能だ。この場合の復原力計算結果は<表付録6-4-3>のように要約できる。損傷後の初期傾斜角、転覆力対比復原力比率(A1/A2)、復原力(A1)、最大残留復原てこ(RAmax-HA)、限界線(Margin line)基準を全て満足するため、ディーゼルエンジン室および隣接した後方1区画浸水時の復原性は基準を十分に満足している。

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<画像付録6-4-3>2区画浸水時の浮揚状態計算結果(Case 2)

項目 設計基準 天安 結果
損傷後の初期傾斜角 15度以下 0度 満足
転覆力対比復元力比率(A1/A2) 1.4以上 2.943 満足
復元力(A1) 0.024m.rad以上 0.201m.rad 満足
最大残留復原てこ(RAmax-HA) 0.075m以上 0.424m 満足
限界線(Margin line) 喫水線上方に位置すること 1.689m 満足

<表付録6-4-3>Case 2に対する復原性評価結果

3)3区画浸水時損傷復原性評価

(1)Case 3:3区画損傷(ディーゼルエンジン室および隣接した後方2区画浸水)

天安の場合、設計基準(2区画浸水時復原可能)を十分に満足するため、追加で3区画が浸水される場合の中の一つとしてディーゼルエンジン室および隣接した後方2区画に浸水が発生した場合に対して浮揚性能と復原性を評価した。浮揚状態計算結果は<画像付録6-4-4>で、主甲板の開口部が閉鎖されている場合に浮揚可能だ。復原力計算結果は<表付録6-4-4>のように要約できる。損傷後の初期傾斜角、転覆力対比復原力比率(A1/A2)、復原力(A1)、最大残留復元てこ(RAmax-HA)基準を満足する。限界線(Margin line)基準は不満足に評価されたが、これは艦尾終端部分が水に浸る可能性があり、これに位置した主甲板上の開口部が開放されている場合、漸進的浸水で沈没する。開口部が閉鎖されている場合、これ以上の浸水がなく浮揚可能を現わす(<画像付録6-4-4>参照)。すなわち、艦尾部一部が水に浸って、この場合にも復原性を保有するので相当な時間安定した浮揚維持が可能だと評価することができる。

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<画像付録6-4-4>3区画浸水時の浮揚状態計算結果(Case 3)

項目 設計基準 天安 結果
損傷後の初期傾斜角 15度以下 0度 満足
転覆力対比復元力比率(A1/A2) 1.4以上 3.040 満足
復元力(A1) 0.024m.rad以上 0.076m.rad 満足
最大残留復原てこ(RAmax-HA) 0.075m以上 0.163m 満足
限界線(Margin line) 喫水線上方に位置すること -0.627m 不満足

<表付録6-4-4>Case 3に対する復原性評価結果

(2)Case 4:3区画損傷(ディーゼルエンジン室、ガスタービン室、ガスタービン室前方1区画)

設計基準(2区画浸水)を超過して3区画が浸水する場合の中の一つとして、ディーゼルエンジン室、ガスタービン室およびガスタービン室前方1区画に浸水が発生した場合に対し浮揚性能と復原性を評価した。浮揚状態計算結果は<画像付録Ⅵ-4-5>のようで浮揚可能だ。この場合の復原力計算結果は<票(表)付録Ⅵ-4-5>とともに要約することができる。損傷後初期傾斜角、転覆力対比復原力比率(A1/A2)、復原力(A1)、最大残留復原てこ(RAmax-HA)、限界線(Margin line)基準を全部満足するのでディーゼルエンジン室、ガスタービン室およびガスタービン室前方1区画、総3区画浸水時復原性は充分だと評価された。

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<画像付録6-4-5>3区画浸水時の浮揚状態計算結果(Case 4)

項目 設計基準 天安 結果
損傷後の初期傾斜角 15度以下 0度 満足
転覆力対比復元力比率(A1/A2) 1.4以上 2.724 満足
復元力(A1) 0.024m.rad以上 0.158m.rad 満足
最大残留復原てこ(RAmax-HA) 0.075m以上 0.318m 満足
限界線(Margin line) 喫水線上方に位置すること 1.048m 満足

<表付録6-4-5>Case 4に対する復原性評価結果

4)4区画浸水時損傷復原性評価

(1)Case 5:4区画損傷(ディーゼルエンジン室含む後方4区画浸水、操舵室除外)

設計基準(2区画浸水)を非常に超過した4区画が浸水する場合の中の一つとして、ディーゼルエンジン室を含んだ後方4区画(操舵室除外)に浸水が発生した場合に対しての浮揚性能と復原性を評価した。浮揚状態計算結果は<画像付録6-4-6>と同じで、主甲板の開口部が閉鎖されている場合に浮揚可能だ。復原力計算結果は<表付録6-4-6>のように要約できる。損傷後の初期傾斜角、転覆力対比復原力比率(A1/A2)、復原力(A1)、最大残留復原てこ(RAmax-HA)基準を満足して復原力は維持される。限界線(Margin line)基準は不満足に評価されたが、これは艦尾部が水に浸る可能性があることを現わして、これに位置した主甲板上の開口部が開放されている場合、漸進的浸水で沈没するか、開口部が閉鎖されている場合に浮揚可能を現わす(<画像付録6-4-6>参照)。すなわち、艦尾部一部が水に浸って、この場合にも復原性を保有するので相当な時間安定的に浮揚維持が可能だと評価できる。

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<画像付録6-4-6>4区画浸水時の浮揚状態計算結果(Case 5)

項目 設計基準 天安 結果
損傷後の初期傾斜角 15度以下 0度 満足
転覆力対比復元力比率(A1/A2) 1.4以上 2.871 満足
復元力(A1) 0.024m.rad以上 0.089m.rad 満足
最大残留復原てこ(RAmax-HA) 0.075m以上 0.187m 満足
限界線(Margin line) 喫水線上方に位置すること -0.758m 不満足

<表付録6-4-6>Case 5に対する復原性評価結果

(2)Case 6:4区画損傷(ディーゼルエンジン室含む後方4区画浸水、操舵室含む)

設計基準(2区画浸水)を非常に超過した4区画が浸水する場合の中の一つとして、ディーゼルエンジン室を含んだ後方4区画(操舵室含む)に浸水が発生した場合に対しての浮揚性能と復原性を評価した。復原力計算結果は<表付録6-4-7>のように要約できる。損傷後の初期傾斜角は基準を満足するが、転覆力対比復原力比率(A1/A2)、復原力(A1)、最大残留復原てこ(RAmax-HA)、限界線(Margin line)基準は全て不満足で、船体は時間が過ぎるにつれ浮力を喪失して完全に沈没することになる。

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<画像付録6-4-7>4区画浸水時の浮揚状態計算結果(Case 6)

項目 設計基準 天安 結果
損傷後の初期傾斜角 15度以下 0度 満足
転覆力対比復元力比率(A1/A2) 1.4以上 - 不満足
復元力(A1) 0.024m.rad以上 - 不満足
最大残留復原てこ(RAmax-HA) 0.075m以上 - 不満足
限界線(Margin line) 喫水線上方位置すること -7.821m 不満足

<表付録6-4-7>Case 6に対する復原性評価結果

5.天安の艦首、艦尾分離後復原性

一般的な艦艇復原性設計では損傷前復原性と損傷後復原性を分析するが、この時の損傷は切断ではなく単に浸水が発生する損傷を意味する。一方、天安はガスタービン室が切断、分離して艦尾は短い時間に沈没し、艦首は右舷側に90度転覆した後に沈没した。このような沈没状況が発生する経緯を技術的に明らかにするために、切断後の艦首と艦尾各部分に対する復原性を評価した。

1)切断直後の艦首、艦尾それぞれの復原性評価

艦が切断された後、艦首、艦尾の復原性の関連特性は<表付録6-5-1>と同じだ。表でG’は本来の中心Gが搭載流体(燃料など)の滞積形状変化で移動して設定される新しい中心を意味する。すなわち、復原性評価指標G’M = KM-KG-GG'となる。

<表付録6-5-1>で艦首部だけのG’Mは-0.02mで負の値を持つことと評価された。

したがって切断後艦首部は軽微な風または、波などの小さい外力にも復原力を喪失して転覆することになる。転覆方向は外力の方向であろう。すなわち、艦首と艦尾が分離すれば艦首部は重心が高まって復原力がない状態となる。

艦尾部のG'Mは2.35mと評価された。すなわち、切断直後に艦尾部は転覆しなかったと判断される。

項目 艦首部 艦尾部
排水量 664トン 559トン
KG 4.347m 3.515m
KW 4.425m 5.903m
KB 2.420m 2.346m
GG’ 0.098m 0.036m
G’M -0.020m 2.35m

<表付録6-5-1>切断直後の艦首、艦尾部復原能力

2)切断後の艦首、艦尾それぞれの浮揚性評価

(1)艦首部浮揚性評価

切断直後の艦首部転覆前浮揚状態は<画像付録6-5-1>のように計算された。艦首部の復原力がないので(GM = -0.02m)左舷下部で爆発力が作用するにつれ右舷側に転覆したと判断される。分離した艦首は7個の区画に分けられていて、漸進的な浸水が発生すると分析された。すなわち、転覆した状態で相当時間浮揚状態を維持したが、出入口または通風口等から海水が持続的に流入して結局沈没した。

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<画像付録6-5-1>艦首、艦尾分離直後の艦首の浮揚状態計算結果

(2)艦尾部浮揚性評価

切断直後の艦尾部の浮揚状態は<画像付録6-5-2>とともに計算された。GM値が2.35mで復原力があり転覆は発生しなかったと判断される。

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<画像付録6-5-2>艦首、艦尾分離直後の艦尾の浮揚状態計算結果

分離した艦尾は4個の水密区画に分けられていて、特にディーゼルエンジン室は艦尾部容積の40%を占めていて、この区画の浸水が艦尾部浮揚の有無に及ぼす影響が非常に大きい。先に艦尾部沈没形態を確認するために単純にディーゼル機関室の浸水程度にともなう浮揚性および艦姿勢を分析した。破損したディーゼルエンジン室を除いて、完全に密閉されているディーゼルエンジン室が4m浸水する時までは浮上維持が可能だが、ディーゼルエンジン室が完全浸水する時には沈没することになる。ディーゼルエンジン室の浸水程度にともなう分析結果は<画像付録6-5-3>と同じだ。

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<画像付録6-5-3>ディーゼル機関室の浸水進行にともなう艦尾の浮揚状態計算結果

次に艦尾沈没時間および姿勢を詳細に分析した。分析時実際の艦尾部船体破損状態を反映して分析した結果、海水流入部は(<画像付録6-5-4>参照)ディーゼルエンジン室とガスタービン室の間の水密隔壁にガスタービンと減速ギア間連結軸切断によって発生した破口とディーゼルエンジン室上部主甲板に位置したディーゼルエンジンおよび発電機煙突設置のための開口部からディーゼルエンジン室に海水が流入した。また、艦艇が平時作戦中なので主通路水密ドアは開放された状態であるからディーゼルエンジン室であふれた海水が後部隔室に流れ込んだと分析した。

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<画像付録6-5-4>艦尾切断面および主甲板開口部

艦尾部沈没時間の分析結果は<画像付録6-5-5>のとおりだ。船体切断90秒後からディーゼルエンジン室浸水によって80度以上傾斜して、約210秒後に艦尾部の長さ33.4m以上沈下されると分析された。機関室搭載装備にともなう浸水容積に差が発生する可能性があるが、浸水容積差を考慮しても約200-250秒後完全沈没すると分析された。

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<画像付録6-5-5>艦尾部沈没時間分析結果

6.分析結果

天安の損傷前の復原性設計基準は、設計当時の一般商船復原性基準より厳格に適用され、基準の2倍以上の基本復原力を持っていると評価された。損傷時復元性は2個の隣接区画の浸水に安全なように設計され、3区画損傷および操舵室を除いたディーゼルエンジン後部4区画の浸水時にも浮上維持が可能だと分析された。

ガスタービン室を基準に艦首と艦尾が分離した場合、艦尾はガスタービン室と機関室間の隔壁が完全なまま切断されて水密が維持されたとすれば浮上を維持できると分析されたが、事件発生当時ディーゼルエンジン室とガスタービン室間の水密隔壁に発生した破口とディーゼルエンジン室上部主甲板の煙突部から急激な浸水が発生して、船体が切断されて200-250秒後には完全沈没すると分析された。

切断された艦首は負の復原力(GM< 0)が作用して分離直ちに復原力を喪失することになって、軽微な風または波などの小さな外力でも転覆することになる。右舷側への転覆は左舷側からの外力が作用した結果と見ることができる。ただし、艦首は7個の水密区画に分けられているので分離および転覆後に急速に沈没せず、相当な時間が浮いていると見られるが、転覆した状態で出入口または通風口等から海水が持続的に流入して結局沈没したと判断される。

付録7.船体基本強度解析結果

1.目的

天安は設計当時、米海軍(U. S Navy)の構造設計基準(Structural design manual for naval surface ship,1974)により設計されたが、現在の韓国海軍艦艇は国内で保有している世界最高の造船設計技術力を基に直接構造解析(Direct strength analysis)技法により構造安全性を検証している。したがって、天安の構造に対する直接構造解析を実施することによって、1974年米海軍構造設計基準で設計された天安船体構造を現在の基準により評価して、基本構造安全性を検証するために実施した。基本構造安全性検証は破壊要因分析のための基本強度評価が目的であり、破壊解析結果に先んじた基本手順だ。

2.直接構造解析手順(Flow chart of direct strength analysis)

直接構造解析は艦艇の波浪中の運動および荷重を計算して、艦寿命(25-30年)期間で経験する最大極限荷重(Most probable extreme load)を確率統計的に求め、この荷重を発生させる設計波(Design wave for extreme load)を決めた後、3次元構造モデルに荷重を加えて構造解析を遂行して構造安全性を評価することをいう(<画像付録7-2-1>参照)。

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<画像付録7-2-1>直接構造解析手順

<画像付録7-2-1>のように、最新の直接構造解析手順には疲労強度評価が含まれるが、この天安直接構造解析は設計のためにでなく、破壊要因分析のための基本強度評価が目的であり、疲労破壊は天安の破壊要因ではないことはすでに分析されたのでこれは除いた。

3.流体力学解析(Hydrodynamic analysis)

1)流体力学解析モデリング

天安の波浪荷重計算のための解析モデルは、艦艇の形状と圧力分布をよく表現することができるように水線面下部の船体を細かくモデリングした。<画像付録7-3-1>は波浪荷重計算に使われた船体の3次元モデルと荷重条件を見せている。また、重量は満載状態の資料を土台に艦艇に分布させた。

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<画像付録7-3-1>3D流体力学計算モデルおよび荷重条件

2)設計波(Design wave)選定

基本強度解析のための設計波は<表付録7-3-1>のように選定した。設計波は世界で最も荒々しい海である北大西洋で艦艇が25-30年間運用して10-8の確率で可能性がある最も深刻な荷重下の条件を考慮して選定した。

  1. 艦中央位置に作用する最大波垂直曲げモーメントが最大になる設計波
  2. 艦中央位置に作用する最大波垂直曲げモーメントが最大でなる設計波
  3. 艦中央に作用するねじりモーメントが最大でなる設計波
  4. 船首での垂直加速度が最大でなる設計波
  5. 艦中央水線面(Water Plane)での圧力が最大でなる設計波
設計荷重(Design load) 向首角(Heading angle) 波長(Wave lenght) 設計値(Design value) 設計波高(design waveheight)
垂直曲げモーメント(Vertical bending moment) 180度 65.37m 83,824kN/m 10.60m
水平曲げモーメント(Horizontal bending moment) 120度 43.81m 18,722kN/m 4.53m
ねじりモーメント(Torsion moment) 60度 65.37m 13,757kN/m 8.55m
鉛直加速度(Vertical acceleration) 120度 48.75m 14.71m/sec2 6.92m
圧力(Pressure) 90度 34.24m 75.92kPa 6.67m

<表付録7-3-1>天安直接構造解析のための設計波算定結果

4.構造解析

1)構造解析モデルおよび許容応力基準

天安の構造解析のための有限要素モデルの範囲は上部構造物と煙突をおよびマストを含んだすべての船体構造物で構成した。軟鋼(Mild steel)材質である主船体構造に対する構造解析解釈結果は、韓国海軍の艦艇設計建造基準の許容応力基準に従って、アルミニウム材質である上部構造に対する構造解析結果は韓国船級設計規則の許容応力基準により評価した。

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<画像付録7-4-1>3D構造解析モデル

軟鋼(Mild steel) 降伏応力(бY) 許容応力(бe)
縦強度部材(Longi.Member) 235MPa 200MPa
横強度部材(Trans.Member) 235MPa 177MPa

<表付録7-4-1>主船体構造許容応力

AL 5083,H116 降伏応力(бY) 許容応力(бe)
縦強度部材(Longi.Member) 215MPa 127MPa
横強度部材(Trans.Member) 215MPa

<表付録7-4-2>上部構造許容応力

2)構造解析結果および評価

直接構造解析は最大荷重を発生させるそれぞれの設計波(垂直曲げモーメント、水平曲げモーメント、ねじりモーメント、鉛直加速度、圧力が最大になる設計波を選定)に対し行い、各構造部材別許容応力の最大値を基準として評価した。すべての設計波に対して直接構造解析した結果、天安の場合、垂直曲げモーメントが支配的な荷重成分だと分析された。したがって、以下の結果は垂直曲げモーメントについてだけ収録した。

(1)降伏強度評価(Yield strength assessment)

主な構造部材である外板と主甲板での解析結果を<画像付録7-4-2>と<画像付録7-4-3>に示した。<表付録7-4-3>には主甲板、外板など主な縦強度部材と隔壁、ウェブフレーム、上部構造での最大発生応力を許容応力を記述した。すべての構造部材で許容応力以内の応力が発生した。特に外板と主甲板などの主な構造部材は基準値に比べ最大約50%程度水準で降伏強度評価基準を十分に満足した(<表付録7-4-3>参照)。

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<画像付録7-4-2>外板(Shell plate)構造解析結果

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<画像付録7-4-3>主甲板(Main deck)構造解析結果

対象部材 材質 許容応力(MPa) 発生最大応力(MPa) 備考  
O-2 Deck AL[21] 127 20.0 16% 満足
O-1 Deck AL 127 77.6 61% 満足
Main deck MS[22] 200 103.62 52% 満足
1st Platfrom deck MS 200 42.14 21% 満足
2nd Platform deck MS 200 44.84 22% 満足
Shell MS 200 106.54 53% 満足
FR.39 BHD MS 177 52.8 30% 満足
FR.77 Web frame MS 177 152 86% 満足

<表付録7-4-3>構造部材別応力評価

(2)座屈強度評価(Buckling strength assessment)

天安の座屈強度評価は艦艇設計/建造基準(Steel)による評価方法を適用した。構造解析で得た応力を利用して主な構造部材に作用する圧縮応力とせん断応力に対する代表的な座屈強度評価結果を<画像付録7-4-4>、<画像付録7-4-5>、<画像付録7-4-6>に示した。評価の結果、艦艇中央部には座屈発生の可能性がないと判断されて、艦首および艦尾の部分縦隔壁(Partial longitudinal bulkhead)の一部に座屈が発生する可能性があることが明らかになった。該当構造部材は隔室の区画を分けるための非耐圧隔壁であるため、艦全体の縦強度(Hull girder strength)には影響を与えない。隔室区画を分けるための部分縦隔壁の例を<画像付録7-4-6>に示した。

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<画像付録7-4-4>座屈強度評価結果:フレーム27-フレーム67

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<画像付録7-4-5>座屈強度評価結果:フレーム106-フレーム130

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<画像付録7-4-6>部分縦隔壁の位置および形態(例)

5.解釈結果

艦艇寿命25-30年基準として、極限荷重を発生させる最大設計波(波高10.6m)に対し天安の直接構造解析を行った結果、降伏強度(Yield strength)基準を十分に満足した。艦首および艦尾の部分縦隔壁に一部座屈が発生する可能性があると評価されたが、座屈発生の可能性があると評価された縦隔壁は区画構造として非耐圧隔壁であるから艦強度に及ぼす影響はないと確認された。

したがって、天安船体構造は襲撃など異常な要因がない限り構造的に十分な強度を保有していた。


補足

  1. Michael M. Swisdak, “Explosion Effect sand Properties : Part II-Explosion Effects in Water,” NSWC/WOL TR 76-116, 1978.
  2. Warren C. Strahle,“Conventional Weapons Underwater Explosions,” AD-A201 814,December 1988.
  3. Robert H. Cole,“Underwater Explosions,” Princeton University Press,1948.
  4. 相似関係式(Similitude relation):圧力、衝撃量およびエネルギーなど衝撃波変数を計算するのに適用される式。
  5. J. E. Shepherd, “Interface Effects in Underwater Explosions”, AD-A201 814, December 1988.
  6. Julius W. Enig, “Underwater Explosion Bubble Dynamics”, AD-A201 814, December 1988.
  7. 回転する二つのローラ(roller)の間に金属材料を入れて圧力によって既存より結晶粒子が緻密に形成された金属組織。
  8. 圧延過程で発生した層状で配列された紋。
  9. 典型的なパーライト-フェライト(Pearlite-Ferrite):炭素含有量が約0.25%程度で低い鋼鉄が高い温度で溶融して冷却されて凝固する過程で成り立った微細構造の形状。
  10. 結晶粒微細化:特定物体の決定粒子の大きさが外部的圧力または、熱処理などによって小さくなる現象。
  11. 金属を加工・変形させて金属の傾倒を増加させる方法または現象。
  12. 再析出:特定決定粒子が再びできる現象。粗大化:既存決定粒子の大きさが大きくなる現象。
  13. 衝撃波が自由境界面に当たった際に、急激に減少しながら反対側に伝播する現象。
  14. X線が特定物体を投影後に散乱して、空間の特定角度で補強干渉を現わす現象。
  15. CHNS:Carbon Hydrogen Nitrogen Sulfur(炭素、水素、窒素、硫黄)。
  16. wt.%:weight%(重さ%)。
  17. Yajun Liu, “The Kinetics of Incongruent Reduction Between Sapphireand Mg-AlMelts,” Phd Thesis, Georgia Institute of Technology, 2006.
  18. TOPAS(Total pattern analysis solution):X線回折データを分析するプログラムの名称。
  19. R. R. McGuire, et. al. , ‘Detonation Chemistry : An Investigation of Fluorineas An Oxidizing Moiety in Explosives,’ Lawrence Livermore Laboratory, AD A11 9092, N00014-77-F-0053, July 7. 1982.
  20. 主甲板舷側で下方76mmの線であり、限界線は喫水線上方になければならない。
  21. AL:Aluminum(アルミニウム合金)。
  22. MS:MildSteel(軟鋼)。

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