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韓国海軍天安(チョナン)沈没事件合同調査結果報告書全訳 - 第1章 概要

更新
2013年05月25日(土)

韓国海軍天安(チョナン)沈没事件合同調査結果報告書全訳 - 第1章 概要

はじめに | 目次 | 第2章


第1章 概要

1.事件概要

2010年3月26日(金)21:22頃、白ニョン島近海で任務遂行中だった海軍第2艦隊所属天安(PCC/コルベット)が北朝鮮の魚雷攻撃によって沈没し、乗務員104名中46名が戦死、58名は生存した。


<画像1-1-1>天安沈没事件発生位置

■天安の任務
・3.16(火) 平沢港出港、白ニョン島西側警備区域に配置。
・3.25(木) 黄海に風浪注意報、白ニョン島西側警備区域離脱、大青島東南に避航。
・3.26(金) 06:00頃、気象の好転により警備区域復帰のため航海開始。
08:30頃に警備区域に到着して作戦任務実施。
20:00頃に当直勤務交代(29名)、その他人員は休息および整備

2.事件の経過

1)事件発生前

天安の艦橋に当直士官7名、戦闘指揮所に7名、通信室に2名、艦首砲塔弾薬庫に3名、機関制御室に7名、誘導制御室に1名、ディーゼル機関室に2名の計29名が当直勤務中で、その他人員は食堂、寝室などで休息および就寝をしていた。艦長は21:05頃に艦内巡回を終えて艦長室でコンピュータのメール、掲示板とKNTDS[2]画面を確認中だった。

天安の当時の状況は、正常に任務遂行中であった。

2)事件発生後

■21:22 天安沈没(事件発生時間)。
■21:28 第2艦隊司令、天安沈没を確認。
■21:30 第2艦隊司令、大青島の高速艇(5隻)に緊急出港を指示。
■21:31 第2艦隊司令、束草艦に事件現場向け全速力航海を指示。
■21:32 第2艦隊司令、仁川海上警察(海上警察501艦、1002艦)、官公船に緊急支援を要請。
■21:34 第2艦隊司令、緊急措置班を招集。
■21:40 第2艦隊司令、危機措置班を招集、全作戦要素戦闘配置。
■21:47 第2艦隊司令、徳積島LYNXヘリコプターに白ニョン島展開を指示。
■21:56 高速艇(3隻)現場に到着。人命救助を開始。
■21:57 第2艦隊司令、対潜水艦警戒態勢を発令。
■21:59 第2艦隊司令、空軍探索および救助戦力支援を要請。
■22:07 第2艦隊司令、仁川海上警察に501艦、1002艦RIB[3]支援を要請。
■22:10 更に高速艇(2隻)現場に到着。救助開始。
■22:28 高速艇(チャムスリ級322号)が1名救助(天安作戦官大尉)。
■22:41 海上警察501艦、RIB 2隻現場に到着。救助開始。
■22:50 官公船(214、227)が救助開始。
■23:13 生存者58名が離艦および救助完了。
■23:13-3.27 04:35 天安沈没海域夜間捜索、患者後送。

天安の生存者58名は、後尾の衝撃と共に「ドーン!(1-2秒間)」という音と悲鳴を聞き、停電と同時に一部隔室に海水が浸水し、突然右舷側に90度傾いたと述べた。艦長は事件発生時の衝撃により艦長室に閉じ込められたが、通信長など4、5名の乗務員が下ろした消化ホースを腰に縛って外部左舷甲板に脱出。この時甲板に天安の生存者約20人が集まっていた。

艦長が艦尾側を確認すると煙突より後ろが確認できず、かすかに油においがして、乗務員が集まっている艦首部が右舷側に90度傾いているのを見て必要な措置を行なった。

艦長は副長(少佐)に艦内に閉じ込められた乗務員の救出を指示。作戦官(中尉)に人員を把握して、救助艦に移動する場所を確認するように指示した。また、中尉(LTJG)など6名に負傷して動くことができない下士(腰椎骨折)、下士(大腿部骨折)、上士(大腿挫傷)、上士(肩損傷)、上士(肋骨骨折)を救助するように指示した。艦長は艦首の生存者を救助した後に点呼を行い合計58名を確認して、高速艇到着まで待機することを指示した。

艦長は22:32-22:42頃に第2艦隊司令22戦隊長と電話通話を行った。内容は次のとおりだ[訳補1]

天安艦長 「何かが当たったようです。」
第2艦隊 「何かとは?」
天安艦長 「魚雷のようですが、艦尾が完全に見えません。」
第2艦隊 「艦尾?どこから?」
天安艦長 「煙突が見えません。高速艇やRIBをすぐこちらに向かわせてください。」
第2艦隊 「生存者は?」
天安艦長 「58名で、多数が血を流して、立ち上がれない重傷者が2名です。」

3)状況報告および伝播

天安砲術長は21:28頃に停電により艦内有線、無線の使用が制限されたため、携帯電話を使用して第2艦隊状況将校に救助を要請した。第2艦隊状況班長は通話内容を聞き、状況将校の携帯電話を譲り受けて『船が右に傾いており、救助が必要だ。』という内容を確認し、21:30頃に文字情報網を使用して大青島の高速艇に緊急出港を指示した。

第2艦隊当直士官は21:30頃に、指揮統制室で天安戦闘情報官から『天安が白ニョン島近海で「座礁」して艦艇が沈没している。早く支援兵力を送ってくれ』という電話を受けて指揮統制室長に報告した後、直通電話で仁川海洋警察署副室長に電話して『現在の白ニョン島の西で我が艦艇が「座礁した」という連絡あり、近隣の海上警察501艦、1002艦を白ニョン島西に至急送ってくれ」と要請した[4]

仁川海洋警察署副室長は直ちに大青島南方海域にいた501艦と小青島南方海域にいた海上警察1002艦に出動するように指示した。

第2艦隊連絡将校は21:32頃に自身の携帯電話で甕津郡庁所属漁業指導船214号船長に電話して『海軍の天安が白ニョン島西側で沈没中、救助を支援してくれ』と要清し、漁業指導船船長は甕津郡庁担当公務員に事件受付を通知して21:50頃に出港した。

4)乗務員救助

海軍高速艇と海上警察艦、官公船などが動員されて58名を救助した。21:56に高速艇3隻が、22:10には高速艇2隻が天安に到着して人命救助を始めた。高速艇は天安に係留索(3インチ)を繋いだ。天安作戦官が高速艇に飛び移る際に海に転落したが高速艇によって救助された。

艦長は高速艇を使用した場合に艦が揺れる危険があると判断して警察艇のRIB使用を決定した。22:38頃に大波によって天安艦首の乗務員が転落する可能性があったため高速艇と天安の係留索を解いた。22:41頃に海上警察501艦(500トン)の2隻のRIBが到着、天安に接近して19名を救助した。23:08頃に漁業指導船仁川227号は患者2人を救助した後に白ニョン島に後送し、残りの36名は海上警察501艦によって救助された。

艦長はRIBが到着した後、艦首砲台に集まっている人員を先に移送するように指示して『患者から先に離艦し、重傷者を助けなさい。』と指示した。生存者は艦長の指示により患者と二等兵などが先に救命艇とRIBを使用して海上警察501艦に移動した後、艦長、副長、通信長が最後にこの艦を後にした。3月26日23:13から27日04:35まで天安沈没地域付近を捜索し、海上警察501艦に搭乗中の51名は高速艇乗り換え、更に哨戒艦に乗り換え3月27日14:00頃に平沢港に到着した。

3.調査活動

1)民軍合同調査団

3月31日に国防部は、民軍合同調査団を82名(現役59名、官17名、民6名)で編成し、4月12日から73名(韓国49名、海外24名)に再編成して調査活動を実施した。

cheonan1_2.jpg
<表1-3-1>合同調査団編成

民軍合同調査団は6月30日までの約92日間活動して、この期間中に4回(4.7、4.15、4.25、5.20)に調査活動の発表をし、6月9日から17日まで国連安保理に参加して調査結果を説明した。

民軍合同調査団は、科学的で客観的な詳細な調査により沈没原因を究明することを目標した。編成および運営重点は、調査過程の透明性および信頼性向上で、そのため民軍共同で調査団を編成、アメリカなど各国専門家の参加で国際的な公信力を確保、船体引き揚げ前と後で分け段階的な調査により、科学的で体系的な調査活動を実施した。

2)分科別活動

(1)科学捜査分科

科学捜査分科は国防部調査本部、陸軍捜査団、国立科学捜査研究所、国防広報院、外国専門家など25名[5](軍7名、民間7名、海外11名)で編成し、写真および映像分析チーム、証拠物採取チーム、証拠物分析チーム、死体検案および解剖検査チームなど4個のチームに分け、白ニョン島、艦上(独島[訳補2]、青海鎮[訳補3]、聖人峯[訳補4]など)、第2艦隊、国防部調査本部、国立科学捜査研究所などで活動した。

事件発生後から艦尾引き揚げまでに生存者58名から陳述を4回(1回3.27、2回3.28、3回3.31、4回4.1)聴取して個人別位置を特定し、天安の細部配置図を作成して、位置別に患者状態を確認して、事件発生原因に反映した。

4月2日から5日までTOD[6]録画映像(DVR)の時間別状況と、天安乗務員104名中携帯電話所有者8名を除いた96名の3月26日17:00から24:00までの携帯電話の通話などから天安が正常に任務遂行中で、21時22分に事件が発生したという事実を明らかにするなど、事件発生当時の状況を明確に究明した。

その後、艦首、艦尾沈没地域を1区域(艦尾)、2区域(艦首)に分け、写真および映像分析チームは船体引き揚げ過程を撮影して、現場採取チームと共に切断面、内外部跡などの証拠写真を撮影、船体形状および跡を分析して非爆発、内部、外部爆発など沈没要因を判断し、CCTVなどに対するデジタルForensic[7]を実施した。

証拠物採取チームは海域、艦首と艦尾の三つに分け採取した。海域採取の場合、探索、救助活動中に水中爆発地点の土壌を採取したのをはじめとして、金属片、爆薬成分が吸着する可能性がある物質などを採取した。船体採取の場合、艦首、艦尾および煙突引き揚げ時にはしけ船で採取中心の現場鑑識を実施した。船体を平沢第2艦隊司令部に移動した後には、艦尾は3回、艦首は2回精密鑑識を行い爆薬成分を検出して、金属性分分析に必要な証拠物を中心に採取した。海底採取の場合、爆発で流失したガスタービン保護カバー、発電機アーマチュア(Armature)、原動機、繊維、金属片などを採取し、特に爆発圧力を受けたガスタービン室では、船底と切断面全面をガーゼを使用して爆薬成分、金属片などを採取した。

また、特殊網を活用して海底から回収した物は甲板で分類後、海兵第6旅団配下の大隊練兵場に移動させて、手作業と金属探知機により細かく分け採取した。

証拠物分析チームは採取位置と採取物の特性を考慮し優先順位を決め証拠物を分析した。化学分析の場合は液体クロマトグラフィー質量分析法[8]によりHMX、RDX、TNTなど爆薬成分を検出した。

物理分析の場合は、比較分析のために北朝鮮試験用魚雷試片3点、天安船体部別材質と爆発部のガスタービン室部品別成分比などを確認した。

その後採取した金属片らの材質を走査型電子顕微鏡エネルギー分散型X線分析法[9]で分析して、確保された試片成分と比較し、関連性がない金属は排除され、魚雷に使われるアルミニウムおよびアルミニウム合金成分と判断される金属は継続検討された。

死体検案および解剖検査チームは、民軍法医学医が合同ではしけ船および独島で死体状態の確認および収拾を指導して、身元確認、死体検案および死因究明と共に沈没原因に対する関連性を分析した。

(2)艦艇構造/管理分科

艦艇構造/管理分科は、合同参謀、海軍本部、防衛事業庁、学界(蔚山大、忠南大)、造船所(現代重工業、サムスン重工業)、研究所(国防科学研究所、韓国機械研究院、韓国船級)、海外専門家など22名(民7名、軍5名、海外10名)の調査員と支援員3名で編成し、艦艇管理、船体基本強度解析、艦安定性、水中爆発船体衝撃解析の分野に分け活動した。

艦艇管理分野は、艦艇整備状況および船体損傷状態を元に船体老朽化による疲労破壊、座礁、衝突などの非爆発原因による天安沈没の可能性を分析した。

船体基本強度解析分野は、最新構造解析技法を使用して25-30年間の艦運用期間中に発生する極限海上状態(波高10.06m)で天安船体構造強度の安定性を分析した。

艦安定性分野では、天安の復原性設計基準と復元性能を分析して、天安の定常状態では復原性に問題がないことを確認し、船体切断後の艦首、艦尾に対する復原性を分析した。

水中爆発船体衝撃解析分野は、国防技術品質院の専門担当者および計測器を使用して艦首、艦尾船体破損および変形形状を精密に計測、分析した。爆発タイプ(爆薬大きさ、爆発位置)を特定するため船体構造に対する1次元ホイッピング[10]解析を実施し、爆発タイプ分析で導き出した爆発タイプで3次元水中爆発船体衝撃解析を行い、天安破壊経緯を工学的シミュレーションで再現した。

(3)爆発タイプ分析分科

爆発タイプ分析分科は、合同参謀、国防科学研究所、民間専門家、海外専門家など14名(民7名、軍5名、海外専門家2名)の調査員で編成し、魚雷、機雷、遺体分析、その他爆発物など4個分野に分けて活動した。

沈没原因分析のために、船体引き揚げ前は内部爆発の可能性、すなわち弾薬庫爆発、燃料タンク爆発、ディーゼルエンジンおよびガスタービン爆発の可能性を精密分析した。船体引き揚げ後には巡航(対艦)ミサイルおよび弾道ミサイルによる水面/水上爆発の可能性、魚雷、機雷、陸上操縦機雷による水中爆発の可能性およびその他急造爆発物による沈没の可能性などを分析して、現場確認および調査を並行して行った。

このような過程を通じて使用可能な武器を魚雷と機雷に絞り込み、船体破断面分析、吸着物質分析、船体破断シミュレーション等により、非接触水中爆発によって天安が沈没したことを科学的に証明した。また、爆薬量と水深変化にともなう多様な形態のシミュレーションにより最も可能性がある爆薬量と爆発位置を導き出した。

(4)情報分析分科

情報分析分科は情報本部、国立海洋調査院、韓国海洋研究院など4名(民2名、軍2名)の調査員と12名の支援員で編成し、海洋環境分析、北朝鮮の挑発分析、技術情報分析、TOD映像分析など4個分野に分けて活動した。

沈没原因分析のために情報分析分科は、先に白ニョン島近海海底障害物(暗礁)および潮流の特性を分析した。海底地形は5段階に分けて検証し、潮流は軍作戦用潮流予報システムを使用して分析および検証を行った。TOD映像は事件前、後に分け精密分析し、北朝鮮の挑発の可能性は浸透資産および武装別に区分し、技術情報分析は天安沈没原因糾明のため採取活動により科学捜査分科を支援した。

3)調査活動

(1)船体引き揚げ前:3.31-4.14

合同調査団は、船体引き揚げ前の分科別調査活動で天安の作戦経過および措置過程に対して精密分析をし、民間専門家に対する交渉と並行して関連分野専門家と議論を実施した。船体引き揚げ前は沈没要因を内部的要因と外部的要因に区分した。国防科学研究所の分析結果により内部的沈没要因の1つの船体疲労破壊の可能性は低く、整備記録から整備問題の可能性も低く、また燃料タンク爆発は切断条件に合致しないため可能性が低いと判断した。

外部的沈没要因は専門家の意見では、味方が設置した機雷の可能性は低く、北朝鮮の魚雷および機雷による可能性があると判断した。沈没海域の海図により暗礁はなく、専門家よると三角波の可能性も低く、近隣R/DおよびTOD映像により船舶衝突の可能性も低い。

主要鑑定物(被服類、回収物など)鑑定の結果、生存者の被服類(勤務服など9点)では爆薬類が検出されず、海上および白ニョン島海岸で回収された回収物(機関室底プレートなど3点)でも火災跡は検出されなかった。

(2)艦尾引き揚げ後:4.15-4.23

合同調査団は天安艦尾引き揚げ前に現場調査チームを57名で編成して、4月14日に独島で現場に展開、4月15日に艦尾を引き揚げ、4月16日には艦尾引き揚げにともなう現場調査結果を発表した。

第1次現場調査により内部爆発の可能性は低いと判断した。その理由は火災による内装材の熱損傷がなく、電線の被覆の状態が良好であり、船底の鉄板が上に曲がっていた。

座礁の可能性も低いと判断した。その理由は船底状態が良好で、艦尾左舷船底部の切断面が上に曲がっていた。

疲労破壊の可能性も低いと判断した。その理由は船底の切断面が上に80度曲がり、ガスタービン室後尾隔壁補強材が上側に巻かれていた。

これらにより外部爆発の可能性が高いと判断した。その理由は船体切断面の跡が船底左側から右上側に切断され、切断面に破片跡がなく、外部圧力により曲がっており、電線が熱に溶けず切断された状態であった。現場で採取した水中切断部の内装材など10点に対して爆薬類およびアルミニウム成分の分析を行った。

4月18日に艦尾船体に対する精密鑑識により29種147点を採取して、4月21日に艦尾切断面に対する3次元レーザースキャニングを実施した。国防技術品質院で艦尾船体の損傷部に対する精密測定により損傷位置を計測して変形形状を調査した。4月15日から25日まで艦尾引き揚げ間、現場調査および引き揚げ後の詳細な調査により内部爆発より外部爆発の可能性が高いと判断した。

(3)艦首引き揚げ後:4.24-5.19

合同調査団は4月23日の艦首引き揚げにともなう現場調査チームを50人で編成し、白ニョン島に展開した。4月24日に艦首を引き揚げ、4月25日に艦首引き揚げにともなう調査結果を発表した。

第2次現場調査結果により内部爆発の可能性は低いと判断した。その理由は弾薬庫および燃料タンクの状態に問題が無く、切断面の船体構造が外側に曲がり、竜骨部が上方向に曲がり、肋骨は上に巻かれていた。

座礁の可能性も低いと判断した。その理由は船底状態が良好で艦首船底のソナードーム[11]の破損跡がなかった。

疲労破壊の可能性も低いと判断した。その理由は切断面が外部圧力によって大きく変形し、損傷状態が非常に複雑だった。

外部爆発要因の一つの接触爆発の可能性は低いと判断した。その理由は船体内部、外部に煤煙跡、破口した部分がなく、切断面の電線および内装材が熱に溶けた跡がなかった。

また水中爆発の衝撃波とバブル効果によって船体が中心にひどく曲がり切断されていて、非接触外部爆発の可能性が高いと判断した。

現場調査の結果、ガスタービン室左舷船底で爆発して、右舷上側に圧力が進行したと判断した。爆発威力は船体の損傷した大きさおよび形状を考慮してシミュレーションにより確認した。

艦首切断面に対する3次元レーザースキャニングを実施し、4月26日にアメリカチームの水中爆発衝撃解析結果を議論した。4月23日から5月19日まで現場調査および詳細な調査により水中爆発と判断し、接触爆発よりは非接触爆発の可能性が高いと判断した。

(4)魚雷推進動力装置回収:5.15

5月10日から特殊網による海底精密探索を実施して、5月15日に魚雷推進動力装置の推進モーターとプロペラなどを回収した。

魚雷推進動力装置分析の結果、北朝鮮が保有する魚雷の設計図面と証拠物の大きさと形が一致し、魚雷推進動力装置と天安船体の吸着物質成分を分析した結果も一致した。また、推進後部の内部に「1번」というハングル表記が浦項近海で2003年に回収した北朝鮮魚雷の「4호」というハングル表記方法と似ていた。

(5)調査結果発表:5.20

5月20日に国防部大会議室で内外信記者を対象に民団長(ユンドギュン教授)が合同調査結果を発表した。

沈没海域で回収された魚雷推進動力装置の分析結果、船体変形形状、関連者陳述内容、ケガ人の状態および死体検案結果、地震波と空中音波分析結果、水中爆発シミュレーション結果、白ニョン島近海潮流および爆薬成分分析結果に対する国内外専門家たちの意見をまとめた結果、天安は魚雷による水中爆発によって発生した衝撃波およびバブル効果によって切断されて沈没し、爆発位置はガスタービン室中央から左舷3m、水深6-9m程度、武器は高性能爆薬250kg規模の北朝鮮が製造、使用中である魚雷と確認された。

4.天安構造および形状

天安は(株)コリアタコマ造船工業株式会社(1999年韓進重工業ホールディングスに合併)で建造され、1988年海軍に引き渡され、事件発生前まで約22年間運用された艦艇だ。

天安構造および形状は、主甲板を中心にO-1 deck、O-2 deck、1st Platform、2nd Platformに分られ、主甲板には士官室と士官寝室、上士食堂、機関操縦室、乗務員食堂があり、O-1 deckには艦長室、戦闘状況室、通信室、デミスト[12]、煙突[13]0があり、O-2 deckには艦橋とマスト[14]がある。

1st Platformには艦首に甲板行政室、航海、砲術部、作戦部、上士寝室があり、艦尾側には機関部寝室、中士休憩室、後部お手洗い、浄化ルーム、機関倉庫、艦尾砲R/S、操舵室がある。2nd Platformには艦首に兵器管理室、電子整備室、ジャイロ室、艦尾側にガスタービン室、ディーゼル機関室があり、船底にはソナードーム(Sonar dome)と艦安定器(Fin stabilizer)、ビルジキル(Bilge keel)[15]がある。

cheonan1_3.jpg
<画像1-4-1>天安の構造


補足

  1. NLL(Northern limit line):1953年の停戦直後に国連軍が設定した海上境界線。
  2. KNTDS(Korea naval tactical data system):韓国海軍戦術資料処理システム。
  3. RIB(Rigid-hulled inflatable boat):高速ゴムボート、船体下部はガラス繊維強化プラスチック、船体上部は膨張式チューブで構成され、軽くて硬い小さい船体だが長距離航海と高い波でも任務遂行可能。
  4. 状況発生初期のため、混乱している生存者一部が「座礁」等の不正確な用語を使用したと見られる。
  5. 国内調査員は編成人員14名、支援人員69名の合計83名が調査活動に参加。
  6. TOD(Thermal observation device):生物と物体の赤外線を感知して映像情報に変換する装備。監視偵察などの目的で使用。
  7. デジタルForensic(Digital forensic):携帯電話、PDA(Personal digital assistants)、PC、サーバーなど電子証拠物でデータを収集分析するデジタル捜査過程。
  8. 液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS、Liquid chromatography-Mass spectrometry):イオン交換、高速液体化などの方法により、気体以外の物質を分離後、「質量分析器」により分離した物質の成分を確認する分析法。
  9. 走査型電子顕微鏡エネルギー分散型X線分析法(SEM-EDX、Scanning electron microscope-Energy dispersive x-ray):対象試料に電子を走査後、放出される電子の波長を分析、試料に含まれた元素成分および含有量を測定する分析法。
  10. ホイッピング(Whipping):船体がバブルの膨張、収縮の影響により曲がる現象。
  11. ソナードーム(Sonar dome):音響探知機(Sonar)の蓋、水中探索のための音波を通過させるために特殊な材質で出来ている。
  12. エンジンが必要とする空気を湿気とホコリを除去する装備。
  13. エンジンの排気を空気を排出する装置。
  14. 船の中央に位置、帆柱のこと。
  15. 船の底左右に位置、船が左右に揺れることを低減する装備。

訳補足

  1. かなり切羽詰まった状態のためか、そのまま訳すと内容を理解することが難しいため、わかり易くしています。また、原文には無い発言者表記をしてあります。
  2. ドクト:ドクト級ドック型揚陸艦(LPX)1番艦(LPH-6111)
  3. チョンヘジン:チョンヘジン級潜水艦救難艦1番艦(ASR-21)
  4. サングンボン:コージュンボン級戦車揚陸艦(アリゲーター型)4番艦(LST-658)

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