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シャープ液晶パネル-ボーイング787で空を飛ぶ

シャープ製の液晶パネルがボーイング787型のコックピットディスプレイに採用されました。


液晶テレビAQUOSで培った表示技術を、コックピット用液晶に展開
当社製液晶ディスプレイがボーイング787のコックピットに採用

シャープが開発した液晶ディスプレイが、ボーイング社が製造する次世代の最新鋭航空機ボーイング787(通称:ドリームライナー)のコックピット用ディスプレイに採用されました。

この液晶ディスプレイは、当社が液晶テレビAQUOSで培った表示技術「ASV技術」を初めて搭載した航空機向けの専用ディスプレイです。高コントラスト、広視野角、高色度など優れた光学特性を実現しており、飛行に関する様々な情報を正確に表示することができるため、左右に位置する正操縦士と副操縦士が同時に確認することができます。また、温度や気圧の変化、振動や衝撃などに対する高い耐久性も有しています。

当社は、1973年に電卓用のディスプレイに液晶を実用化して以来、液晶技術を進化させ、ノートPC、PCモニター、カラー携帯電話、液晶テレビなど様々な液晶応用商品の市場創出に貢献してまいりました。こうした長年の実績と高い信頼性が評価され、1991年より大手航空電子サプライヤーのロックウェルコリンズ社を通じて、航空機のコックピット用ディスプレイの納入を開始。このたび、ボーイング787にも採用されました。

当社は今後も液晶技術を進化させることで、コンシューマ分野から産業用分野まで、様々な液晶応用商品の創出に向けて取り組んでまいります。

<ボーイング787に採用された液晶ディスプレイの仕様>

表示サイズ 306.6×229.95mm
表示ドット 1,400×1,050ドット
搭載台数 5台(1機あたり)
カラー表示数 262,144色

シャープ製の液晶パネルがボーイング787(B787)のコックピットディスプレイに採用されました。
シャープは液晶パネルを供給して、それを「Rockwell Collins」が製品にしているみたいです。
Rockwell CollinsのHPを見に行くと、このパネルと同じ仕様の製品があるので、これをボーイング向けに改良しているのだと思います。

製品情報:Rockwell Collins – MFD-2911Multi-Function Display

Multi Function Displayとは、多機能ディスプレイのことで、計器一つに付き、一つの情報ではなく、その時必要な情報を表示させることが出来るようにしたディスプレイのことです。

この「MFD-2912 Multi-Function Display」の概要には、『画素数1400×1050、9×14インチの表示エリア、視野角50度、MVA、LEDバックライト』が使用されてることが書かれています。

ASVは、シャープが付けている製品名です。液晶方式的にはVA方式です。更にこのVA方式の液晶配向方向を増やし、視野角特性を改善したものをMVA方式と言います。ASVはVA方式であり、その視野角特性を改善するために配向方向を増やしているので、MVA方式となります。

しかし、B787には、タレスのディスプレイが搭載されていた覚えが有るのですが、変わったのでしょうか?
それとも2社供給? これだと製品の整合を取るのが大変そうです。
もしくは、タレスにパネルを供給するのでしょうか? でもこれだと、シャープのリリース文と異なります。

こういうことを書くと元も子もないですが、あまり利率はよくないでしょうねぇ。信頼を得ることと名前が売れるというのはありますが。


では、後は恒例の余談を。

航空用液晶パネルが初めて民間旅客機に採用されたのは、ボーイング777型機です。それまで計器類はアナログメーターかCRTが使用されていました。このCRTが多様されているコックピットは、グラスコックピットと言われます。なので、液晶パネルが使われているコックピットをグラスコックピットというのは変と思うと人もいますが、実際はパネルを保護するためにパネルの上にガラスを付けるので、グラスコックピットではあります。なお、グラスコックピットの正しい意味は、コンピュータにより統合された計器システムのことです。

B777で液晶パネルが使われ始め、当時ボーイングと競争を繰り広げていた(現在もですが)エアバス機とB777と乗ったことのあるパイロット達が両社コックピットを比べてCRTより液晶の方が視認性が良いと言い評判になりました。エアバス社は液晶はまだ新しい技術のため採用を見送っていたので同社にとっては衝撃でした。個人的にはボーイングの方が保守的な気がしますが、この時はエアバスが保守的だった様です。このため、エアバスもA340に液晶パネルを搭載することを決めます。

航空機用液晶パネルは、通常使用される液晶パネルに比べてかなり過酷な条件で使用されるため、高い品質が求められます。 温度、湿度、気圧、G(重力加速度)などです。

温度は当然、暑い環境(55度)から寒い環境(-15度)までです。「旅客機って温度変化があったけ?」と旅客機に搭乗したことがある方は疑問に思うかもしれません。 通常ならありえない環境ですが、高度を取っている時に、機体に穴が開けば、急減圧とともに気温も下がります。また、この急減圧に耐えられなければいけません。

旅客機は通常高いGがかかることはありませんが、非常事態の場合はかかる可能性があります。実際、5Gもの高Gがかかった状態で、墜落せず、空港に着陸した事故がありました。

Wikipedia - 中華航空006便降下事故

性能面では、視野角、応答速度、パネルの表面処理が重要になります。
液晶の欠点でよく上がるのが視野角ですが、旅客機用の場合、操縦士が2名が自身の正面のディスプレイと相方のディスプレイを見るため(cross-cockpit viewing)、広視野角でなければいけません。正面にあるのなら、正面のを見ればいいと思うかもしれませんが、お互いにディスプレイを確認することで(クロスチェック)確実性を上げています。この時、自身正面のディスプレイと相方のディスプレイの見え方が異なると誤認識が発生する可能性があります。微弱な色の変化も許されません。

応答速度が速くないと残像が発生します。これも誤認識の原因になるため、排除しなければいけません。

パネル表面処理とは、一般で使用されるモニターで言えば、ノングレア処理やグレア処理のことになります。
旅客機の場合、どのような環境でも確実に計器が見えなくてはいけません。太陽光が差し込む環境や夜間時など、どんな時にもです。ノングレア処理をした場合、拡散反射が大きくなるため、太陽光が差し込む場合、画面全体が白くなります。当然グレア処理をするのは論外です。

航空機用ディスプレイの場合、Anti-reflection処理(低反射処理)をおこないます。これは、表面に反射防止用の光学薄膜を蒸着させます。また、航空機用ディスプレイにはパネルを保護するガラス(フロントガラス)があり、これにもAnti-reflection処理を行ないます。更に、フロントガラス裏に偏光フィルムを貼り付けます。
違う方法では、フロントガラスと偏光板を接着することでも低反射にすることが出来ます。

当然ながら一番重要なのは、信頼性です。信頼性は上のことを全て完璧に出来て初めて生まれます。

ちなみに、CRTは応答速度や視野角では液晶に勝っていますが、精細度や明るさ、信頼性では液晶が勝っています。
特に打撃に対する耐性は高く、アクティブマトリックス液晶パネルは、衝撃を受けた部分が表示されなくなるだけで、配線とTFTさえ壊れていなければ問題なく表示されます。ただ、光源が0になると表示されなくなりますが、これは液晶、CRTに限らず発生します。
打撃に対する液晶の実例を一つ。5分7秒ぐらいです。[ニコニコ動画版 / YouTube版]。コントローラーが当たったところは表示がおかしくなっていますが、それ以外は問題なく表示できています。

コックピットディスプレイは、日本では横河電機が製造しています。パネルは外部調達のようですが、ゲートの作成などは横河電機が行なっています。
現在横河電機のMFDは、現在エアバスで製造されている全航空機のコックピットディスプレイに採用されています。エアバスのA380のコックピットディスプレイは横河電機製です。

これら以外では、F-2、SH-60K、US-2、OH-1などのディスプレイに採用されており、XP-1やXC-2、おそらくATD-X(心神)のコックピットも横河電機製と思われます(おそらく調べれば出てくると思いますが、大変なんで)。民間機市場の前に、防衛向けで生産を行っていました。それから、民間機市場に進出したのです。

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